
「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事・生活に役立つ情報を発信しています(^^)
職場で「なぜかうまくいかない」と感じたことはありませんか?
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- ミスが多い…
- 疲れやすい…
- 職場に馴染めない…
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このように感じているとしたら、
その原因は「あなたの能力」ではなく、「環境」にある可能性があります。
発達障がいのある方にとって、「環境」は働きやすさを大きく左右します。
合わない環境では疲れやすく、ミスも増えやすくなります。
しかし少しの工夫や配慮で、安心して力を出せるようになります。
この記事では、発達障がいのある方が安心して力を発揮するための「職場環境の整え方」を、
厚生労働省の資料や専門機関の情報をもとに、わかりやすく解説します。
なぜ「環境」が大切なのか
能力より、環境が結果を左右する
心理学では「行動=個人×環境」と言われます。
もしあなたに能力があったとしても、
環境によって大きく左右される可能性が高いです。


発達障害がある人ほど、環境の影響を受けやすい
特にASD・ADHDなど発達障がいがある人は、
環境の影響を強く受けやすいです。
- 雑音が多い
- ➡️ 集中が途切れやすい
- 曖昧な指示がある
- ➡️ 混乱しやすい
- 急な予定変更
- ➡️ 不安が高まる
- 安心できる
- 本来の力を出せる
公的機関・研究が示す「環境の重要性」
厚生労働省の「発達障害者雇用事例集」では、
次のような配慮が有効と紹介されています。
「職業準備性ピラミッド」を土台にする
「職業準備性ピラミッド」とは
厚生労働省が公開している「職業準備性ピラミッド」は、
働く力を整理するうえで非常に有用です。
ピラミッドの下から順に身につけることで、職場で安定して働く力が形成されます。

- 健康管理
- 「体調」「障がい理解」「服薬管理」 など
- 日常生活管理
- 「生活リズム」「金銭管理」「食事」 など
- 対人スキル
- 「挨拶」「協調性」「報連相」 など
- 基本的労働習慣
- 「出勤」「ルール遵守」「スケジュール管理」
- 職業適性
- 「スキル」「専門性」「適職判断」
健康管理:働く力の最下層
健康管理はピラミッドの最下層であり、働く上での土台です。
- 睡眠、食事、運動
- 一定のリズムで生活する
- 服薬管理
- 服薬の有無、タイミングを自己管理
- 体調変化の把握
- 疲労、ストレスの兆候を自覚する
- 休養、調整を行う
- 障がい特性の理解
- 自分の反応、疲労傾向を把握する
- 職場で説明できる状態にする
健康管理を可視化することで「作業能力」「集中力の安定」につながる

(管理人)
「健康第一」と言われるように、
身体・心の調子が良くなければ「本当に」何もできません…
日常生活管理:生活の自立度を上げる
日常生活管理とは、日々の生活を計画的に回せる能力を指します。
- 生活リズムの安定
- 朝起きる、夜寝るの時間を一定に保つ
- 食事の管理
- 朝食を抜かない
- 栄養バランスを意識
- 家計管理
- 収入、支出を把握する
- 計画的に使う
- 生活の段取り化
- 無理のない段取りを作る
- 前日の夜に朝の準備を済ませる など
生活管理は単なる「生活リズムを作る」ことではなく、
職場で安定して働くための基礎

対人スキル:信頼関係の築き方
対人スキルは、職場での円滑なコミュニケーション・チームワークの基盤です。
- 挨拶、礼儀
- 朝の挨拶
- 帰宅時の報告
- 場面に合った言葉遣い
- 口調、表現を調整する
- 相手に誤解を与えない
- 報連相
- 「報告」「連絡」「相談」をすぐに行う
- 感情コントロール
- 急な変更、指摘に冷静に対応する
習得に時間がかかるものの、
ピラミッドの土台が整うことで自然と力が伸びる
基本的労働習慣・職業適性
「基本的労働習慣」では出勤・ルール遵守・スケジュール管理を、
「職業適性」ではスキル・専門性・適職判断を意識することが重要です。
この2つに関しては就労移行支援・就労継続支援など、
福祉サービスで時間の経過とともに鍛えられていくため、割愛させていただきます。
「力を発揮できる環境」の3つの条件
物理的環境:作業スペース・道具・手順の整理
物理的環境は、作業効率・集中力に大きく影響します。
- 作業スペースの整理
- 必要なものだけを配置する
- 不要な刺激を減らす
- 作業手順の可視化
- 図解、チェックリストを活用する
- 迷わず作業できるようにする
- 作業道具の固定配置
- 頻繁に使う道具は、定位置に置く
これらにより無駄なストレスを減らし、集中できる状態を維持できる
- 静かで落ち着いた場所
- 光、音が強すぎない空間
- 整理整頓された作業机

(管理人)
私の場合、このような感じです。
- 静かな場所
- オフィス空間がよい
- 工場の騒音、私語が多い場所は適さない
コミュニケーション環境:報連相と心理的安全性
職場での心理的負荷を減らすためには、コミュニケーション環境の整備が重要です。
- 報連相ルールの明確化
- 「どの」タイミングで「誰に」「何を」報告するか
- 事前に整理する
- 「許可」「相談」のタイミングを決める
- 相談時間を、一日の特定の時間帯に設定する
- フィードバックを受けやすくする
- 指摘、アドバイスを受け入れやすい形式を活用する
- 書面、チャット など
- 安心して質問できる雰囲気
- 誰もが安心して相談できる
- ミスを責めず、改善を一緒に考える文化
- ミスから成長する
- 一方的な競争より、協力を重視するチーム
- 「個人」ではなく「チームとして」
コミュニケーション環境を整えることで、
心理的負荷が軽減され、作業に集中できるようになる

(管理人)
いわゆる「心理的安全性が高い」職場です。
「心理的安全性」を「自分から」確保していきましょう。
こうすることで他人と「安心できる」コミュニケーション環境を
作ることができます。
自己管理環境:体調・感情・思考の可視化
自己管理環境は、体調・感情・思考の自己調整能力を高めることを指します。
- 「体調」「感情」の記録
- 日々の疲労、ストレスを記録する
- 変化に対応する
- ルーティンの固定
- 朝、昼、夜の行動パターンを習慣化
- 休憩と回復の計画
- 作業の合間に休憩を挟む
- 集中力を維持
これらの工夫により、自分の限界を理解し、
無理のない働き方を維持できる
- 手順、ルールが明確
- 優先順位がはっきりしている
- 急な変更が少なく、予定がわかりやすい

(管理人)
これらは就職してから、
「上司とともに改善していく」のが良いです。
環境を「探す・作る・整える」実践法
就職・転職活動での環境チェックポイント
就職・転職活動では、見学・面接のときに職場の雰囲気をチェックすることが大切です。

1日の仕事の流れはどうなりますか?
- 具体的な指示が多いか
- 静かに作業できる場所があるか
- 相談しやすい人がいるか

(管理人)
これらは実際に体験してわかることが多いです。
職場見学のみならず、体験実習を積むことも大切です。
自分でできる工夫
- ノイズキャンセリングイヤホンを使う
- ヘッドホンでもよい
- 骨伝導イヤホンもおすすめ
- スケジュールを紙、アプリに書き出す
- 作業机をシンプルに整える
- 骨伝導イヤホン
- スケジュールの詳しいたて方
上司・同僚へのお願いの仕方
- 指示を紙にしてもらう
- 予定を前日に伝えてもらう
- 雑音が強いとき、場所を変えてもらう

(管理人)
「あなた自身から伝える」ことが
今後の人生において、非常に大切です。
「まだその勇気がない…」
そんなあなたには「支援機関」を頼りましょう。
「許可を取る」ストレスを減らす方法
職場では多くの場面で「許可を取る」必要があります。
これを苦手と感じる人は少なくありません。
- 相手の領域に踏み込む不安
- 相手の反応を予測できない
- 不安が先行する
- 衝突の可能性
- 自分の意見が拒否されたとき、心理的負荷が大きい
- 手続きの面倒さ
- 許可を得るのは、複雑で手間がかかる
- 独立性の欲求
- 「頻繁に許可を求めること」=「自分の自由を制限している」
- 質問内容を整理する
- 事前にメモ、チャットで伝える内容をまとめる
- タイミングを確認する
- 『今、お時間よろしいですか?』と前置きする
- 相談の形を取る
- 『こういう考えがありますが、どう思われますか?』と聞く
- 自己判断の範囲を確認する
- 「この件は今後、自己判断で進めてよいか」を事前に明確化
これらを意識することで「許可を取る行為」を
「心理的負担の少ない作業」に変えることができる

(管理人)
「伺い(うかがい)を立てる」言い方を覚えると、
最初は違和感を感じるかもしれません…
ただし「上司がいる」以上、
身につけておいて損はありません。
支援制度・合理的配慮を活用する
合理的配慮とは何か
「企業・学校は合理的配慮を行う」ことが求められています。
- 「施設」「教材」「人材」「専門家」「コミュニケーション支援」の整備
- 障害の種類ごとに環境、支援内容を具体的に調整する
- 勤務時間の調整
- 体調に合わせた時差出勤
- 得意な仕事に、集中できるような業務配分
- コミュニケーションをメール中心にする
「合理的配慮は特別扱い」ではなく「誰もが力を出せるようにするための工夫」です。
活用できる支援機関一覧

(管理人)
「自分ひとりじゃ、できないよ…」という方は、
主治医・専門家など、第三者と意見を交わしながら行うとよいです(^^)
拒否された場合の対処法
拒まれた場合は先ほど紹介した、支援機関に相談してみましょう。

(管理人)
環境が整うと「自己評価も変わる」
「できない人」ではなく「環境が合っていなかった人」
力を発揮できないのは、あなたのせいではありません。
人の力は環境によって大きく変わることが支援の現場で明らかになっています。
発達障がい・精神疾患のある人にとって、
合わない環境では疲れやすく、ミスも増えやすいです。
けれども、これまで紹介した少しの工夫や配慮で、
安心して力を出せるようになります。

自己効力感が高まるメカニズム
研究では、環境が整っただけで
「自分はできる」という感覚(自己効力感)が高まることが確認されています。
つまり「できない人」ではなく「環境が合っていない人」だったのです。
まとめ:「小さな工夫の積み重ね」が働きやすさを作る
環境を整えることは、一度に完璧に行う必要はありません。
大切なのは「小さな工夫の積み重ね」です。
- メモ、チェックリストで作業手順を可視化
- 朝、夜のルーティンを固定
- 報連相のタイミングを事前に決める
- 作業スペースを整理して刺激を減らす
- 許可、相談の手順を簡素化する
少しずつ改善していくことで、職場での負担が減り、働きやすさが増します。
それぞれは「小さな一歩」です。
しかし「1つ1つ積み重ねていく」ことが、今後生きていく上で大切になってきます。
焦らず、少しずつ環境を整え、自分に合った働き方を作りましょう。

(管理人)
質問などあれば、お気軽にコメントしてくださいね。
Xでもお待ちしております(^^)

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