
「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事や生活に役立つ情報を発信しています(^^)
- 人との会話で、モヤモヤすることが多い
- 音や光に、過敏に反応してしまう
- 急な予定変更に、混乱してしまう

もしあなたが「なんで私だけこうなんだろう?」と感じているとしたら、
それはあなただけのせいではないかもしれません。
もしかすると、それは「特性」と呼ばれるものかもしれません。
この記事では、「ASD(自閉スペクトラム症)」という特性について、
基本的なことから、日常生活での工夫まで、
できるだけわかりやすく紹介していきます。
「自分に当てはまるかも?」と思いながら読んでいただければ、
ヒントが見つかるかもしれません。
ASDとは何か?:「違い」はあっても「劣っている」わけではない
ASDは、生まれつきの脳の働き方の「違い」によってあらわれる、発達の特性です。

かつては「アスペルガー症候群」などと呼ばれていたこともありますが、
今は「自閉スペクトラム症(ASD、神経発達症の1つ)」という名称で
幅広く捉えられています。
- 人とのコミュニケーションが独特
- 雑談が苦手
- 言葉の裏にある気持ちを、読み取りにくい
- 相手の表情や空気を読むことに、難しさを感じることがある
- 強い興味・こだわりがある
- 好きなことには、深く没頭する
- スケジュールやルーティンが崩れると、大きな不安を感じやすい
- 感覚が敏感または鈍感
- 小さな音にびっくりしてしまう
- 衣服のタグや特定の食感に強い不快感を覚える など
なお、ASDの特徴は人によってさまざまです。
こうした特徴を持つ人たちは、
日常生活の中で「少しずつずれ」を感じながら
生きていることが少なくありません。

(管理人)
私も、過去はそうでした。
- 金属音が苦手で、耳を塞いでいた
- 言葉にできない違和感 など
ただし、これは「性格の問題」ではなく、
脳の認知の仕方が異なっているだけです。
なぜこんな特徴があるのか? ー 原因について知っておこう
ASDの原因は、主に遺伝的要因・脳の情報処理の仕方の違いによるものとされています。
(詳しくはこちらから)
- 遺伝的な背景
- 家族の中に、似た特徴を持つ人がいることが多い
- 脳の働き方の差
- 特定の部位の情報の処理速度・つながり方が、
一般的な傾向と異なることがある
- 特定の部位の情報の処理速度・つながり方が、
重要なのは、
「親の育て方が悪かった」「本人の努力が足りない」というものでは
一切ないということです。
そういった誤解や偏見によって、
自分自身を責めてしまう必要はまったくありません。

もしかして…と思ったときのサイン
以下のようなことに思い当たる方は、
ASDの特性が関係しているかもしれません。
- 「会話の意図をうまく読み取れない」
- または、誤解されることが多い
- 冗談・皮肉をそのまま真に受けてしまう
- 「突然の予定変更」に、強いストレスを感じる
- 「感覚が過敏」で、些細な音・においに耐えられない
- または鈍感で、危険なことに気づきにくい
- ひとつのことに集中すると「時間を忘れて没頭する」
これらの特徴がひとつでもあるからといって
すぐに「診断される」というわけではありません。

ですが「気になる」「生きづらさの理由が知りたい」と思った時、
特性について学ぶことは、自分を理解し直す手がかりになります。
生活で感じやすい「困りごと」と、その工夫
もしあなたが「日常でちょっとつらい」と感じているなら、
それを軽くする工夫があります。以下はその一例です。
- ノイズキャンセリング機能のあるヘッドホンを活用
- 耳栓もよい
- サングラス・帽子で光の刺激を減らす

- スマホのカレンダーアプリなどを活用して「見える化」する
- 急な予定にも「クッション時間」を挟む
- お茶を飲む、ストレッチをする など

- 自分の疲労度を「1~10の数字」で記録してみる
- 話す前に「ちょっと時間をください」と伝える練習をしておく

こうした工夫は、「自分を守る」ための道具です。
過剰に我慢し続けるのではなく、自分に合った対策を知ることで、
ストレスを最小限に抑えることができます。
特性は「強み」にもなる
ASDの特徴の中には、社会の中で強みとして活かせるものもたくさんあります。
- 細かい作業が得意
→ データ処理・品質検査などで活躍 - こだわりが強い
→ 専門分野で、深く掘り下げることができる - 発想がユニーク
→ デザイン・文章表現で、独自の世界観を発揮できる
たとえば、電車や地図が好きな人が
そのまま鉄道会社や測量の仕事に就くように、
「好き」を貫くことがキャリアに繋がることもあります。

相談できる場所・支援を受けられる場所
もし「どうしていいかわからない」「今の生活を変えたい」と思ったとき、
相談できる場所があります。
- 発達障害者支援センター
- 全国に設置されており、相談や情報提供を行っています
- 就労支援機関(就労移行支援など)
- 自分のペースで、働き方を見つけたい人に向いています
- 医療機関(精神科・心療内科)
- 必要に応じて、診断やカウンセリング、服薬治療も選択肢に
こうした場所は、決して「重い問題を抱えている人」だけが行くものではありません。
「少しだけ話を聞いてほしい」という気持ちでも十分です。

(管理人)
「雑談しに行く」くらいの、軽いものでもOKです。
小さな一歩から、動き出してみましょう。
おわりに:「自分を知ること」が生きづらさを変えていく
ASDという言葉にピンとこない方も、
そうでない方も、この記事を読んで、
「もしかして自分にも当てはまる部分があるかも」と感じたなら、
それはとても大切な気づきです。
特性は「欠点」ではなく、「取扱説明書の一部」です。
自分自身をもっと理解すれば、
無理せず暮らせる選択肢は必ずあります。

「なんとなく生きづらい」と感じるあなたが、
少しでも楽に、自然体で生きられるように。
この記事が、その一歩になれば嬉しいです。
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