ASD当事者のマスク苦手体験記

発達障害

「ASDなそら」管理人のそらです。

ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事・生活に役立つ情報を発信しています(^^)

コロナ禍の時、
「マスクが辛い」「マスクを着けるのが苦しい」と感じたことはありませんか?

その感覚、実は発達障がい(ASD:自閉スペクトラム症)の特性のひとつである
「感覚過敏」によるものかもしれません。

共感できる人も多いはず、です
  • 肌に触れる感覚がなんとも不快
  • 言葉にできないけどイライラする
  • 耳にかけるゴムがチクチクして落ち着かない

マスクが【凶器】だった「あの頃」

図書館へ行こうと外に出ると、周囲はマスクだらけ。

館内もマスク着用率100%に近く、
居場所がないような気持ちになりました。

「マスクは凶器」と感じた理由
  • 肌に触れる布が、しんどい
  • ゴムの締め付け感が、苦しい
  • 長時間つけていると、パニックに近くなる
  • 外出すると、同調圧力が強い
  • 布マスク以外は肌に合わない
  • 常に布マスクを持ち歩く日々…
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

まるで重い鎧を外せないようで、
本当にしんどかったです…


「個人の判断」に期待できる変化

厚生労働省は、2023年3月13日以降
「マスクの着用は個人の判断を尊重」と発表しています

マスク着用は個人の判断

感染リスク高い場所では推奨するものの、強制はされなくなりました。

それでも高齢者施設や病院などでは着用が続いています。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

それでも「マスク無しで外出できる」ことが
とても嬉しいのです。

少しずつ環境が変わることで、心の余裕も生まれています。


「少数派」であること・かわいらしい意思表示

私はヘルプマークと「マスク着用困難」を示す缶バッジをつけています。
自治体などで配布されているキャラクター付きの缶バッジです。

実際に付けているもの

しかし、周囲で同じものをつけている人は皆無。

自分が発達障がいや感覚過敏によって
「マスク着用困難」であることを示していても、
社会にはまだまだ理解が浸透していません。

「かわいく」意思表示しようとしても、それを見て理解してくれる人は少ない。
少数派であるがゆえに、わかってもらえない寂しさは心に重くのしかかります。


「布マスク以外NG」のリアルな苦悩

ある冬、大手古本屋でネックウォーマーをマスク代わりに入口に立ったところ、
「マスク未着用お断り」との貼り紙がありました。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

「え?じゃあ入れないじゃん…」

近くでマスクを買えば済むかもしれませんが、
布マスク以外は肌触れ感が耐えられない。

「布マスク以外NG」な自分にとって、購入すら苦痛です。

この日、本を手にするどころか入店すらできず、
心にぽっかり穴が開いたようでした。


少しずつ理解が進む社会へ

現在、新型コロナは感染症法上「5類」に引き下げられ、
マスクは個人判断になりました。

街でもマスクなしが普通になりました。

それでも病院や介護施設では強く推奨されていて、
完全な自由にはまだ程遠い状況です。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

マスク無しで生活できるのは
本当に嬉しいことです。


感覚過敏は「武器」となる

「感覚過敏=悪」ではありません。
むしろ、繊細な感覚は武器になり得ます。

たとえば…
  • 風が木々を揺らす音
  • 波やせせらぎの音
  • 野鳥のさえずり
  • ピアノの繊細な旋律
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

自分の場合、人工的な音ではなく
自然の音が好きです。

これらは、ただの環境音ではなく
心の奥底に響く『心地よい音』です。

ASDの感覚過敏がなければ気づけない、深い豊かさをもたらします。

もちろん、人によって心地よさの種類は違います。

ですが、自分が「心地よい」と感じる感覚を見つけたなら、
それを積極的に生活に取り入れるべきです。


「環境選び」が生きやすさを左右する

ASD当事者にとって、環境選びは人生の質を大きく左右します。

ストレスの源から遠ざかり、
安心できる環境に身を置くことで、心身ともに安定します。

たとえば…
  • 音に過敏な人
    • 自然・静かな施設を選ぶ
  • 肌触りに敏感な人
    • 服・マスク・寝具の素材にこだわる
  • 匂いが苦手な人
    • 無香料環境を意識する

これらの小さな工夫が、自分のペースで生きる基盤になります。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

自分も、以下の対策をしています

  • ヘッドホンを使用する
  • 服を購入するときは、素材を必ず確認

ヘルプマーク+感覚過敏マークの使い方

感覚過敏研究所では、ヘルプマークに加えて
感覚過敏マークやバッジを併用することを推奨しています。

ヘルプマーク単体では
「配慮が必要」ということは伝わりづらく、具体的な困りごとまで伝えません。

しかし、感覚過敏マークを併用することで
「音が苦手」「触覚に過敏」といった具体的な事情を示せるようになり、
周囲の理解が得やすくなります。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

実際に使用していて、役に立ったシーンがあります。
物珍しさ・かわいさで「発達障がい」に興味を持ってくれたのです。


「おかしい」じゃなく「違う」だけ

人に「マスクが着けられないって変だよね」
そう言われたことはありませんか?

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

私は『周りは着けられてるのにな…』

そう思うこともあります…

それは「変」なのではなく「違う」だけなのです。

自分基準で他者と違うとしても、それは自分の個性です。

ASD当事者の生きづらさは「社会の一律の正しさ」に
無理に合わせさせようとする圧力によって生まれます。

だからこそ、自分の違いを理解し、そ
れに合った環境を選ぶことが最優先です。


最後に:感覚過敏はあなたの「武器」

マスクひとつでも、ASD当事者にとっては深刻な問題になります。
けれどその感覚は「異常」ではなく「資質」です。

感覚過敏は、自分を守る盾であり、他者を思いやる力にもなる。
あなたが感じた敏感さや苦しさは、

同じように困っている誰かの助けになるかもしれません。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

そして何より、自分の感覚を受け入れることが、
自分らしく生きるヒントになります。

感覚を否定せず、あなたらしい生き方を築いていってください。

この経験は、あなたの「武器」なのです。
共に進んでいきましょう。

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