障害があっても働き続けるために。就労定着支援を徹底解説

ステップ6|就職する

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「ASDなそら」管理人のそらです。

ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
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就労が決まると、多くの人は安心します。

しかし現実には「働き始めてから」の困難のほうが

大きいケースは少なくありません。

特に「発達障がい」「精神障がい」「身体障がい」など持つ人の場合、

以下の問題によって、離職に追い込まれてしまうこともあります。

  • 人間関係
  • 業務の理解
  • 体調の波
  • 環境の変化
  • 配慮を求めづらい雰囲気

こうした課題を解決するために作られた制度が 「就労定着支援」 です。

この記事では、以下を解説しています
  • 制度の仕組み
  • 利用条件
  • 支援内容
  • メリット
  • 注意点
  • 利用開始までの流れ

就労定着支援とは?

就労定着支援とは「障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス」の一つであり、

「障害のある人が一般企業で働き続けられるように支える制度」です。

厚生労働省(以下「厚労省」)では、

以下のように説明されています。

障害者が地域において自立した日常生活又は社会生活を営む上で、

就労に伴う日常生活又は社会生活を支援し、

就労定着を促す重要なサービス

https://www.mhlw.go.jp/content/001240305.pdf

「就労定着支援という形」が制度化されたのは

「2018年4月」です。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

元となる「障害者基本法」が「1970年」なので

かなり新しいですね。

障害者雇用が進む中で、

「就職後の離職率が高い」という社会課題を踏まえて整備されました。


制度が作られた「背景」

障害者雇用は年々増加しています。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

厚労省の調査によると、

「民間企業」では「過去最高を更新し続けて」います。

詳しくはこちらから

ただし厚労省の調査では「精神障害者など一部の障害区分」で

「離職率が高止まりしている」実態が指摘されています。

この問題を改善するために「就職後の支援」の必要性が高まりました。

しかし「職業リハビリテーション」「支援機関」は

「就職まで」を主な役割としていたため、

就職後の相談・調整を継続的に行える仕組みが不足していました。

このギャップを解消する目的で制度化されたのが、就労定着支援です。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

「障害福祉サービス」でも同じようなことが起こっています。

「就職後」「6ヶ月まで」は「支援が何も無い」のです。


誰が使えるの?

対象者は明確に定められています。

対象になる人

「すべて満たしている必要」があります

  • 一般企業で就労している障害のある人
    • 「障害福祉サービスの受給者証」などが必要なため

  • 障害福祉サービスを利用していた人
    • 就労移行支援
    • 生活訓練
    • 自立訓練
    • 就労継続支援(A/B型) など

  • 就職後6ヶ月を経過している人

自治体によっては、

障害福祉サービス利用のための「障害福祉サービス受給者証」が必須です。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

「サービスを利用する前に」「必ず確認」しましょう。


「どのくらい」利用できるの?

就労定着支援は、永続的に利用できるわけではありません。

利用できる期間

「就職後」「7か月目」から「最大3年間」利用できる

つまり「就職後」「最初の数年間」に重点が置かれている制度です。


何を「サポートしてくれる」の?

就労定着支援の中心は「相談」「調整」「生活支援」の3本柱です。

「定期面談」

支援員が本人と面談し、以下を継続的に確認します。

たとえば・・・
  • 業務内容の理解
  • 会社内での人間関係
  • 体調、メンタルの状態
  • 労働時間
  • 業務量
  • 職場で困っていること
  • 働き続ける上での課題、不安

相談内容は、個別支援計画に基づいて整理されます。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

「個別支援計画」については、後ほど紹介します。

「企業との調整」(合理的配慮・働きやすさの改善)

本人が企業に直接言いにくいことを、

支援員が代わりに伝え、調整します。

たとえば・・・
  • 作業手順の整理
  • 難しい業務の調整
  • 苦手な人との配置バランス
  • 勤務時間帯の見直し
  • 小休憩の導入
  • 作業環境
    • 騒音、光、温度

合理的配慮は本来、企業が提供するべきものです。

ただし、本人だけで交渉するのは負担が大きいため、

「仲介役として」非常に大きな役割を果たします。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

私も大変、お世話になっていますm(_ _)m

「生活支援」(体調管理・ストレス対策など)

働き続けるには生活面の安定が必須です。

支援員は以下のような相談にものります。

たとえば・・・
  • 睡眠、生活リズムの安定
  • 通院、服薬のフォロー
  • ストレス発散の方法
  • 休み方、オンオフの切り替え
  • 金銭管理
  • 食生活、運動習慣

関係機関との「連携」

必要に応じて、支援員が以下と連携します。

たとえば・・・
  • 家族
  • 医療機関
  • 企業の産業医
  • 障害者就業、生活支援センター
  • 以前利用していた障害福祉サービス
  • ハローワーク

「個別支援計画」「定期モニタリング」

支援員は「個別支援計画」を作成し、

定期的にモニタリングします。

「個別支援計画」について
  • 最低3か月に1度、支援員と直接会って話す
  • 状況に応じて、計画を見直し
  • 新しい課題があれば、企業と協議

詳しくはこちらから(15ページ)


「どんな悩み」が解決できるの?

多くは、以下のような手順で解決していきます。

お悩み解消の道筋
  1. あなたが、支援員に詳しい話をする
  2. 支援員が、あなたの上司などと話し合う
  3. 3者(あなた・支援員・上司など)でバランスを調整していく
  4. 以後、定期的に面談で経過を報告し、調節していく
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

イメージできない方のために、

たとえ話で紹介します。

「1日の仕事量が多すぎる」場合

  1. あなたが上司/支援員に、悩みを相談する
    • 例;仕事量が多くて、午後には疲れてしまう
  2. 支援員があなたの上司などに、困っている内容を伝える
  3. 3者でどうするか話し合う
  4. 内容が決まったら、話し合ったことを実行していく
  5. 定期的に3者で面談を実施する
    • 順調であれば、そのまま続ける
    • 上手くいかない場合;原因を探し、改善していく

「体調の波が大きい」場合

  1. あなたが、支援員に詳しい話をする
    • 例;急に寒く(暑く)なり、休むことが続いた
  2. あなたと支援員で「あなた一人でできること」を考える
    • 例;休日は、自分をいたわるようにする
  3. 支援員が上司などに「体調を崩しやすい」ことを伝える
  4. 3者などで「会社内でできること」を考える
  5. 「あなた一人でできること」「会社内でできること」を実践していく
  6. 以後、定期的に面談で経過を報告し、調節していく

「辞めたい」が「口癖になる」場合

  1. あなたが、支援員/上司/主治医などに話をする
  2. あなたと支援員などで、辞めたい理由を整理する
    • 疲れがたまりすぎている
    • 人間関係が耐えられない
    • 仕事についていけず、不安 など
  3. 辞めたい理由から「どうすれば辞めずに済むか」考える
  4. 3者で内容を共有し「どうするか」決める
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

実は「3つとも」「私の実例」なんです。

「誰かに話すことの大切さ」を改めて知ることができました。


利用による「メリット」

就労定着支援を使うことで、得られる利点は多くあります。

  • 仕事での問題が早く見つかる
  • 企業とのコミュニケーションを任せられる
  • 離職リスクを大幅に下げられる
  • 生活面の安定が手に入る

「仕事での問題が」「早く見つかる」

支援員が定期的に面談するため、

小さな問題が大きくなる前に対処できます。

「企業とのコミュニケーション」を「任せられる」

合理的配慮を求める時、

当事者・企業間での相談はハードルが高く、

伝え方を間違えるとトラブルになりやすいものです。

実際「企業側でも」障害に対する理解は、それほど高くありません。

支援員が橋渡し役になることで、円滑に進みます。

「離職リスク」を「大幅に下げられる」

離職原因の多くは「相談できないこと」にあります。

定期的なサポートによって離職率を下げられます。

「生活面の安定」が手に入る

働き続けるためには「体調管理が非常に重要」です。

支援員は生活リズム・健康管理もサポートします。

障害福祉サービス中に利用できたことが、

ほぼそのまま受けられます。


利用にかかる「費用」

就労定着支援は障害福祉サービスのため、

利用料が発生する場合があります。

  • 就労移行支援と同じ
    • 1割;自己負担
    • 9割;自治体負担
  • 前年度の所得/住んでいる自治体などで、負担の上限額が変わる
  • 所得に応じた軽減あり
    • 自己負担が発生しない「0円」であることが多い
    • 自己負担額が発生する場合;数千円程度/月

[https://www.nagoya-koyosien.jp/pdf/kouhoushi008.pdf]より

(3ページ;就労定着支援事業とは)

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

「費用が払えない…」

そんなことは、ほとんどありません。


「事業所による違い」に注意

就労定着支援は事業所によって、差がある可能性があります。

  • 「面談頻度」はどれくらいか
  • 「企業訪問」をどれくらいやってくれるか
  • 支援員の経験
  • 得意な障がい特性
    • 発達障がいに強い/精神障がいに強い など
  • 支援計画が具体的に作られるか
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

多くの障害福祉サービスと同じく

「見学」「相談は」無料です。

「可能な限り」「複数の事業所」に出向いて、比較しましょう。


「利用開始まで」の流れ

「イチから探す」場合・・・

  1. 地元の事業所を探す
  2. 事業所に問い合わせ、相談日を決める
  3. 支援内容・利用条件を確認する
    • 受給者証が必要なら、自治体へ申請
  4. 事業所と契約する
  5. 個別支援計画の作成
    • 支援員が作成後、説明を受ける
  6. 定期面談・企業訪問の開始

もし「以前利用していた障害福祉サービス」で就労定着支援がある場合・・・

  1. サービス利用が終わる時、定着支援の紹介を受ける
    • 「利用中に」サービスの紹介がある場合あり
  2. 「就職から5ヶ月後」を目処に、利用申請をする
  3. 支援内容・利用条件を確認する
    • 受給者証が必要なら、自治体へ申請
  4. 事業所と契約する
  5. 個別支援計画の作成
    • 支援員が作成後、説明を受ける
  6. 定期面談・企業訪問の開始
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

「以前利用していた障害福祉サービス」で就労定着支援がある場合、

「支援員が同じ」「過去の出来事の共有ができている」など、

メリットが増します。


就労定着支援を「使ったほうがいい」人とは?

これらに当てはまる場合、

利用すると働きやすさが大きく改善します。

  • 職場に「馴染むのが苦手」
  • 「休み方」「生活リズム」が「安定しない」
  • 企業に「自分の特性を伝えにくい」
  • 「相談相手がいない」
  • 「人間関係に不安」がある
  • 「ミスが続いて」つらい
  • 「体調の波が大きい」
  • 将来「ずっと働けるか不安」
  • 「初めて」働く
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

「1つでも当てはまる」場合、

利用をおすすめします。


おわりに;就労定着支援を利用して、自立して働く力を手に入れよう

就労定着支援は・・・
  • 就職後の不安
  • 働き続ける難しさ
  • 配慮を伝える難しさ
  • 体調、生活面の課題

これらを「専門家と一緒に乗り越えられる」制度です

働くことは「生活の安定」「自己肯定感」につながる重要な要素です。

そして「働き続けること」を支える制度があるということを知るだけでも、

安心して前に進む力になります。


そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

読んでいただきありがとうございます。

質問などあれば、お気軽にコメントしてくださいね。

Xでもお待ちしております(^^)

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