発達障害×就労移行支援で働く力を得た話

就労移行支援

「ASDなそら」管理人のそらです。

ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、

仕事や生活に役立つ情報を発信しています!

私は過去に、就労移行支援事業所を約1年半利用していました。

そこを通じて求人を見つけ、

1週間の実習と約3ヶ月の障害者委託訓練を経て、

今は障害者雇用でパート社員として働いています。

この記事では、

私が就労移行支援を利用していた期間に感じたこと、

学んだことをまとめています。

  • これから就労移行支援を利用しようとしている方
  • すでに利用中の方
  • 就労継続支援(A型・B型)からステップアップを考えている方

そんな方にとって、絶対に読んで損はない内容です。

最初に伝えたい3つのこと

結論から言います。

就労移行支援を利用する上で、心に留めておいてほしい3つのこと
  1. 就労移行での1日は「働くうえでの基礎」でしかない
  2. 事業所の職員は、あなたの様子を「すべて見ている」
  3. 就労移行の期間中に「様々な経験」をすること

順番に、私の体験と共に詳しく説明していきます。


1.就労移行での1日は「働くうえでの基礎でしかない」

就労移行支援は、言ってしまえば「職業生活のリハビリ期間」です。

就職先ではない。仮の職場でもありません。

施設には、福祉や就労支援に関する資格を持ったスタッフが在籍し、

1日のスケジュールもある程度定められています。

通っていた事業所での1日
  • 朝:決められた時間までに施設に到着し、朝礼からスタート
  • 午前:各種訓練や作業(PC訓練・軽作業・グループワークなど)
  • 昼休憩
  • 午後:作業再開、振り返りシートの記入
  • 終礼を終えて退所

それでは、現在の私の仕事はどうかというと…

私の一日(出社日の場合)
  • 8時半時までに出勤
  • 業務(伝票処理や官能検査など)
  • 昼食後に少し仮眠
  • 午後の業務
  • 退勤

驚くほど似ています。つまり、

就労移行での生活リズムは、そのまま社会人生活のリズムへとつながるのです。

毎日決まった時間に通所し、体調を整え、決められたことをやる。

当たり前のことのようですが、それが「働く」うえでの土台になります。

ここで、私が強く勧めたいのが「職業準備性ピラミッド」の活用です。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。⬇️

実際の図はこちらに掲載されています

この図にあるように、

「時間を守る」「体調を管理する」「基本的な対人スキルがある」といった

ベースがあって初めて、「働くこと」が可能になります。

今のあなたはどうですか?
  • 遅刻が多い
  • 体調不良で休みがち
  • 集団に馴染めない などの課題がある

上記のいずれか1つでも当てはまっていたのなら、「基礎固め」の時期です。

しかし、焦る必要はありません。

でも、見て見ぬふりをしていると、

どんなに良い求人が来ても、受け入れてもらえないのです。


2.職員は「あなたのすべてを見ている」

これは、ある意味で恐ろしい話でもあります。

良くも悪くも、あなたの「日々の様子」はすべて見られています。

ここまでやることは、ありませんが…

実際、私の場合はこうでした。

私の体験談

ある時、求人情報が施設に届き、職員数名が企業見学に行きました。

その中で、職員の一人が、

「この業務なら、〇〇さん(=私)に合うかもしれません」と

私の名前を出してくれたそうです。

しかし、全体会議では慎重な意見も出たと聞きました。

  • 利用期間がまだ1年以上ある
  • 彼の良い面・課題の両方を、まだ十分に見れていない
  • 本当に今、実習に送り出しても大丈夫か?

結果的に肯定的な意見が多数だったようで、

私は実習することになりました。

この時、私がやっていたのは、

  • 2日間の実習を終えたばかりで、その振り返りを担当者と話していた
  • 発達障害当事者の発表会への登壇依頼があり、快諾して準備していた

「人前で発表するなんて無理!」という人もいると思いますが、

私はあえて挑戦しました。

そのぶん、企業見学の翌日が発表会、

さらにその1週間後に体調を崩して半月も欠席してしまいましたが、

今では良い思い出です。

ここで重要なのは、

就労移行の職員は、目に見える表の顔だけでなく、

裏の会議ややりとりを通じて、

総合的に「その人の状態」を判断しているということです。

  • あなたが今、どんな行動をしているか?
  • その行動は安定しているか?
  • 誰かの支援が必要か?
  • どんな仕事に向いていそうか?

すべて見られています。

だからこそ、苦手なことも隠さず、素直に相談すること。

小さな成功体験を積み上げること。

そして「働く準備」を意識することが大切なのです。


3.就労移行の期間中に「様々な経験」をしておくこと

これは、私自身の後悔から出てきた教訓です。

当時、私は「次の実習先を探そう」という段階で、

今の職場の求人と出会い、実習→委託訓練→内定という流れになりました。

つまり、本来なら「さらに別の業種を体験するチャンス」があったのに、

それを経験する前に就職が決まってしまったのです。

就職が早く決まること自体は、もちろん嬉しいことです。

でも、今振り返ると「もっといろんな企業で実習しておきたかった」と思います。

利用期間が「約半年」残った状態で
就職したので…

高校卒業後、大学は休学・中退して引きこもっていた時期が長く、

社会経験がほとんどなかった自分にとって、

就労移行は貴重な「社会体験の場」でした。

当時のそら<br>(管理人)
当時のそら
(管理人)
  • もっと自分に合う職種があったかもしれない
  • もっと苦手を克服するチャンスがあったかもしれない

とはいえ、今となっては後悔はありません。

なぜなら、日々の業務で新たな経験を積んでいるからです。

でもやはり、

就労移行の中で「多くのことに挑戦しておく」ことは、強くお勧めしたいです。

例えば…
  • やったことのない作業を引き受けてみる
  • グループワークで意見を出してみる
  • PCが苦手でも、Word・Excelの基本をやってみる
  • 体力に自信がなくても、軽作業を試してみる

その一歩が、数か月後・数年後の大きな武器になります。

「挑戦」は、
周りにも良い影響を与えます

チャンスは「準備している人の前」にしか現れない

「チャンスは、つかむ準備をしていないと、つかめない」

これは、あるアニメの主人公が発したセリフです。
同じような言葉でいうと、こうなります。

「チャンスの女神には、前髪しか無い」

今の自分には関係ないように思える話も、

あなたが変わる準備をしているなら、

いつか目の前に現れます。

「働きたい」あなたへ。

だからこそ、一日一日の「今」を大切にしてほしい。
今日のあなたを作るのは、昨日までのあなた。
明日のあなたを作るのは、今日のあなたです。

「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」
堀江貴文氏の言葉は、とても重みがあります。


最後に:就職はゴールではなく、スタートライン

一人の職員さんが、利用者さんが施設を卒業する時、よく言っていました。

就職したからといって、ゴールじゃないよ。

やっとスタートラインに立っただけ。

本当にその通りです。

働き始めてからも、悩むことはたくさんあります。

でも、あの1年半の就労移行支援期間があったからこそ、

今の自分があります。

今、もし不安を抱えている人がいたら、こう伝えたいです。

焦らなくていい。でも、立ち止まらないでほしい。
苦手から逃げてもいい。でも、少しは挑んでみるといいよ。
誰よりも、自分の可能性を信じてみてください。

きっと、あなたに合った働き方が見つかります。

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