※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています

「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事・生活に役立つ情報を発信しています(^^)
メモを取ろうとすると、頭が真っ白になってしまうことはありませんか?
- 会議/指示の場面で、書こうとした瞬間に思考が止まる
- メモをあとから見返しても、何を書いたのか分からない
- 「どうして自分はメモが取れないのだろう」と落ち込んでしまう
ASDは発達障がいの一つであり、
情報処理/コミュニケーションの特性があるとされています。
そのため「聞きながらまとめる」という同時処理が負担になる場合があります。
- ASDでメモが難しくなる理由
- 管理人の経験談「混乱から脱出したメモの使い方」
- 混乱を減らす具体的な3ステップ
ASDでメモが取れない理由とは
① ASDの情報処理の特性
ASD特性の一例として、以下の傾向がある場合があります。
- 「同時に」「複数の情報を処理する」ことに、負荷がかかりやすい
- 「曖昧な情報」を「そのままにしておく」のが苦手
- 「細部まで」「正確に」理解しようとする
DSM-5より
そして実は「メモを取る」という行為は、複数の工程を同時に行う作業なのです。
- 話を聞く
- 理解する
- 要点を選ぶ
- 文章にする
この「同時処理」が負担となり、途中で思考が止まることがあります。
②「聞きながらまとめる」が難しい
一般的なメモ術では「簡潔に要約する」ことが推奨されます。
しかし、ASD特性がある場合、このような状態になりやすいのです。
- どこを削ってよいか、判断できない
- 情報を正確に残そうとして、全部書こうとする
- 要約の基準が分からず、混乱する
その結果「手が止まる」「頭が真っ白になる」
③ 努力不足ではない
ここで大切なのは「自分の能力が足りない」と結論づけないことです。
DSM-5では、ASDは「社会的コミュニケーションの持続的な困難」、
「限定的/反復的な行動様式・興味を特徴」とする
発達障がいとして定義されています。
これらの特性により、状況に応じて情報を整理したり、
優先順位を判断したりすることに負荷がかかる場合があります。
つまり、以下の流れが起きている可能性があります。
「特性」 → 「同時処理への負荷」 → 「思考停止」
それは努力不足ではなく「処理の特性」と「方法の相性」の問題です。
「多数派向けのやり方が合わないだけ」であり、
方法を調整すれば、混乱は減らせます。

実体験;混乱を減らせたメモの取り方
ここからはメモの大切さに気づけた、管理人の体験談をお話します。
Excel関数の壁にぶつかったとき

(管理人)
私が、就労移行支援事業所に通っていたときのことです
その日はExcel演習に取り組んでいました。
表計算・グラフ作成といった内容で、
自分にとっては比較的得意な分野、のはずでした。


ところが、演習の中盤で立ち止まってしまったのです。

「条件付きの関数入力」がどうしても分からない・・・
たったひとつの関数をどう書けばいいのかが分からず、
1時間以上悩み続け、ついには思考停止、キーボードを打つ手も止まりました。

書き出すことで見えた突破口
そのとき思い出したのが、書籍『メモの魔力』(著:前田裕二)の一節でした。
考えがまとまらないときこそ、書き出せ。
私はパソコンから手を離し、1枚のメモを取り出しました。
頭の中で絡み合っていた情報を、一つひとつ言語化していったのです。
求めたい値を “X” とする
「X の総和を求めたい」 ⬅️ 最終目標
A < X < B
X は A が「○」のときのBの値
A ≠ ○ のときは除外
数式のように分解していくと、
複雑に見えた問題の構造が整理されました。

(管理人)
最初は「どうすればいいだろう・・・」
そう混乱していました。
けれでも、紙に書き出しただけで
霧が晴れる感覚がありました。
メモは自分を助ける「もうひとりの自分」
その後、職員さんに相談しました。
その中で役立ったのが、先ほどのメモでした。

ここまでやってみたんですが、
こういう考え方で合ってますか?

そこまで整理できていれば、あと一歩ですね
整理されたメモがあったからこそ、他人にも伝えやすくなっていたのです。
メモは単なる記録ではなく、思考を整理し、
他者と共有するための翻訳装置だったのです。

ASD向け「メモの具体的3ステップ」
ここからはASD/メモを取るのが苦手な方向けに、
「具体的なメモの取り方」を「3ステップ」に分けてご紹介します。
- 事実だけを書く
- 気づきを分ける
- 次の行動を1つ決める
ステップ① 事実だけを書く
評価/感情を入れず、事実のみを書き出しましょう。
- ○日までに提出
感情と事実を分けることで、考えていることがグチャグチャにならず、
次に取るべき行動が明確になります。
ステップ② 気づきを分ける
疑問/不安は別欄に書きます。
ごちゃ混ぜにして書かないことが大切です。
| 事実 | 疑問/不安 |
|---|---|
| ◯日までに提出 | 間に合わなさそう… どうする? |
ステップ③ 次の行動を1つ決める
「最初にやること」を1つだけ書きます。
| 事実 | 疑問/不安 | 最初にやること |
|---|---|---|
| ◯日までに提出 | 間に合わなさそう… どうする? | 上司にメール、 もしくは直接報告 |
行動が明確になると、不安が軽減します。
なぜこの方法がうまくいくのか
書籍『メモの魔力』では、以下のような思考の流れが紹介されています。
ーーーーーーーーーー
- 事実
- 客観的に分かる内容だけを書き出す
- 抽象化
- 「何が大切なのか?」を問い直す
- 転用
- 具体的な行動につなげる
ーーーーーーーーーー
私は、それをより分かりやすく/より伝わりやすくするために、
このように置き換えました。
- 事実
- 気づき
- 行動
ASD専門書ではありませんが「思考を分解する視点」は応用可能です。
また著者自身がメモを取ることによって、
どん底の人生から良い方向に向かっていった過程が描かれています。
おわりに;完璧より「次の一歩のために」メモを使おう
ASDでメモが取れないのは、能力の問題ではなく方法の問題である可能性があります。
まとめようとしなくて大丈夫です。
分けること。そして、行動を1つ決めること。
それだけでも、思考の霧は晴れていきます。
メモは「きれいに残すもの」ではなく「自分を助ける道具」です。
思考の整理だけでも、十分に意味があります。

(管理人)


コメント