「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
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それ、許可もらった?
障害者委託訓練を受けていた頃、
就労移行支援の支援員さんから、
何度も言われた言葉です。
言われるたび、胸がチクッと痛む感覚がありました。
なぜこんなにもこの言葉が引っかかるのか、自分でも不思議でした。

(管理人)
- 単に「面倒なだけ」なのかな?
- それとも「もっと深い理由」があるのかな?
言語化できないモヤモヤを抱えたまま、
私は自分の内面と向き合うことにしました。
「許可」が苦手な5つの理由
まず、私はAI(ChatGPT)にこう尋ねてみました。
回答がこちら ⬇️
- 緊張や不安
許可を求める際に、上司と話すことに
緊張・不安を感じることがあります。
特に、上司が厳しい場合や自分の提案に自信がない場合に、
この気持ちが強くなることがあります。
- 拒否される恐れ
許可を求める際に「NO」と言われることへの恐れがあります。
拒否されると自分のアイデア・努力が
否定されたように感じることがあります。
- 独立したい
気持ち自分の仕事や決定に対して、
もっと独立して行動したいという欲求があるかもしれません。
頻繁に許可を求めることが、
その独立性を妨げると感じることがあります。
- 手続きの面倒さ
許可を求める手続きが面倒だと感じることがあります。
書類を書いたり、上司との打ち合わせなど、
手続きが多くて煩わしいと感じることがあります。
- 上司との関係性
上司とのコミュニケーションがうまくいっていない場合、
許可を求めることがさらにストレスフルになります。
上司が理解してくれない、あるいは
サポートしてくれないと感じることがあります。
どれも、「ああ、なるほど」と思える内容でした。
でも、自分の気持ちはもっと複雑でした。
ASD当事者としての「許可」のハードル
私自身、ASD(自閉スペクトラム症)の特性があります。
そして「許可」という行為には、
いくつかの壁があると気づきました。
壁①〜 許可を求める = 相手の領域に踏み込む怖さ
ASDの特性の一つに、
「相手の気持ちを読むのが難しい」というものがあります。
だからこそ、不安が先に立ってしまうのです。

このタイミングで話しかけていいかな?
怒ってないかな?
「許可を求める」という行為は、単に質問する以上に、
相手との境界をまたぐ行為に感じてしまうのです。
壁②〜 自分の意見が強い = 衝突の予感
私はよく「芯が強い」と言われます。
自分の意見をしっかり持っている方ですが、それゆえに、
誰かと意見が食い違ったときの衝突を無意識に恐れています。
許可を求めることは「自分の考えを差し出すこと」でもあります。
それが拒否されたときのショックや自己否定感は、
ASDの人にとって特にダメージが大きいのです。

「やってみてダメならやめる」という選択肢
私の中には、一つの考えがあります。
「まずやってみて、ダメと言われたらやめればいい」
これはある意味、ASD特有の「ゼロヒャク思考」が
少し柔らかくなった結果かもしれません。
「ゼロヒャク思考」とは…
「白黒思考」とも言われます。
物事を「0か100」「正解か不正解」「良いか悪いか」の
両極端で考えてしまう思考のクセです。
グレーゾーンがなく、少しのミスや変更でも
「全てがダメになった」と感じてしまう傾向があります。
その考えもあって、自分の思考が少しずつ変わっていきました。
「許可を取らない = ルール違反 = 全てが終わる」
「失敗してもやり直せる」
でも、まだ「許可を取ること自体が嫌」という感覚は、完全には拭えません。

対処法も「聞いてみた」
ChatGPTは「許可を求めるのが苦手な人への対処法」も
教えてくれました。
- リラックスする方法を見つける
深呼吸や瞑想など、
緊張・不安を和らげる方法を取り入れてみましょう。
また、上司との会話をシミュレーションして、
話す内容を前もって整理しておくことも役立ちます。
- ポジティブなフレームをもつ
拒否されることを個人的な否定と捉えず、
改善の機会として捉えるようにしましょう。
上司からのフィードバックを前向きに受け取ることで、
自分の成長につなげることができます。
- 独立性の向上
上司と話し合って、
どの範囲まで自己判断で行動できるかを確認し、
許可を求める必要のあるケースを減らすようにしましょう。
これにより、独立して仕事を進めやすくなります。
- 手続きの簡素化
許可を求める手続きを見直し、
簡素化できる部分がないかを上司と相談してみましょう。
メール・文書での報告など、
手続きがスムーズになる方法を見つけることが大切です。
- 上司との関係改善
定期的なコミュニケーションを通じて、
上司との関係を改善する努力をしましょう。
信頼関係が築かれることで、
許可を求める際のストレスが軽減されます。
「折れない木」になりたい
中学卒業のとき、担任から言われた言葉があります。
「柔らかくて、折れない木になってください」
私は今も、この言葉を覚えています。
- 強すぎてもダメ
- 弱すぎてもダメ
- 柔らかさ・しなやかさが必要
ASDの特性を持つ私たちは、
環境変化やコミュニケーションの難しさから、
つい「強くあらねば」と頑張りすぎてしまうことがあります。
でも「許可を取る」という行為を、
もっと柔軟に、ストレスなくできるようになれたら――
きっと生きやすさが変わってくるはずです。

なぜ「許可」が嫌なのか? 自分なりの仮説
ここまでを踏まえて、私なりの仮説を立ててみました。
「許可を求めること」=「衝突の可能性を引き寄せる行為」だから
- 拒否されるかも…
- 否定されるかも…
- 会話が噛み合わないかも…
- 気まずくなるかも…
だからこそ、
「できれば避けたい」と思ってしまうのかもしれません。

少しずつでいい
まずは「自分は許可を取ることに抵抗を感じている」ということを、
正直に受け止めることから始めてみましょう。
そして「なぜそう感じるのか?」を、丁寧に探っていく。
すぐに解決しなくて大丈夫です。焦らなくてOKです。
だけど、意識することが、改善の第一歩になります。

具体的にやってみる「私なりの『小さなステップ』」
「許可が苦手」なASD当事者の方が、
少しでも動きやすくなるように、
私が実践している方法を紹介します。
こうした行動を少しずつ積み重ねることで、
『許可を取るのは面倒・怖い』という気持ちがだんだん和らぎ、
『当たり前の手続きのひとつ』として捉えられるようになってきました。
✅ メモを書いて渡す
口頭で話すのが得意ではないので、
メモやメール、チャットなどで
「〇〇してもいいですか?」と書く。
✅ 「このタイミングでいいですか?」と聞く
いきなり内容を話すのではなく、
まずは「今、お時間いいですか?」と確認する。
✅ 相談という形にする
「やってもいいですか?」よりも
「こういう考えがあるんですが、どう思われますか?」という聞き方にする。
✅ 自己判断できる範囲を確認する
「この件は今後、自己判断でやっていいですか?」と聞いてみる。

最初はできなくて、当然です。
「こういう方法もあるんだ」と
知っておくだけでも、充分です。
働いていると、必ず、
役に立つ時がきます。
最後に:自分を責めないで、少しずつ前へ
「また許可取らなかったね」と言われるたび、
自分がダメな人間に思えるかもしれません。
でも、あなたの中には、きっとちゃんと理由がある。
ASD当事者としての繊細さや誠実さは、社会にとって大きな価値です。

「許可を取る」という小さな行為も、
あなたにとっては大きな挑戦なのです。
だからこそ、自分のペースで、できるところから始めていきましょう。
柔らかくて、折れない木のように。
あなたの毎日が、少しずつ軽くなっていきますように。
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