「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
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あなたの強みはなんですか?
よく就職活動の面接で聞かれる定番の質問です。
これは定型発達の方も含め、
誰もが一度は聞かれたことがあるでしょう。
しかし、障がい者枠での就労や、
特別な配慮が必要な職場環境では、
少し形を変えてこう問われることもあります。

あなたが配慮を求めること(=弱み)はなんですか?
- あなたが、どうすれば能力を発揮しやすいのか
- 職場側が、どのようにサポートすれば活躍できるのか
でも、正直言って──

強み?そんなの分からない…

弱みは山ほどあるけど、どう言えばいいか分からない…
そう感じる方も多いのではないでしょうか。

私もその一人でした。
この記事では、ASD(自閉スペクトラム症)当事者である私が、
どうやって自分の「強み」や「弱み」に気づいたのか、
そしてそれをどう活かすようになったのか、
実体験を交えてお話ししていきます。
自分を知るきっかけになれば幸いです。
実は身近にある「強み」と「弱み」
私が初めて「自分の強みって何だろう?」と真剣に考えたのは、
障がい者就労の面接の準備をしていたときでした。
当時は、何も思い浮かびませんでした。
- 人に迷惑をかけてばかりだった
- 何をやっても中途半端だった
- すぐ疲れてしまう
そんな否定的な記憶ばかりが頭に浮かんでいました。

でも、就労移行支援の職員さんがこう言ってくれたんです。
自分では「当たり前」だと思っていることが、
他人から見たら「すごい」ってこと、よくありますよ
その一言に背中を押され、
いろんな角度から自分を見つめ直すことにしました。
「強み」と「弱み」を知る3つの方法
① 他者のフィードバックをもらう
これは私にとって、
もっとも大きな気づきのきっかけになった方法です。
家族、学校の先生、職場の上司、支援員の方 などから
- 「〇〇って、よく褒められてたな」
- 「△△は、いつも注意されてたな」
そんな言葉の蓄積が、
私の特性を少しずつ浮かび上がらせてくれました。
- 声が聞き取りやすい
- 丁寧な作業が得意
それらとは逆に…
- 疲れやすいね
- 1つのことに集中しすぎてしまうね
それまでは自分では全く意識していなかったことです。
強みは「強みとして」、弱みは「弱み」として、
受け取るべきポイントでした。

② 自己観察をする
もうひとつ有効だったのは「自分を観察する」ことです。
例えば、こんな問いを自分に投げかけてみました。
- どんな作業のときに疲れにくい?
- どんな作業はイライラせずに取り組める?
- 逆に、どんなときにミスが増える?
- 単純作業に集中できる
- イレギュラーな対応が苦手
- 静かな環境での作業に向いている など
私はメモ魔ではありませんが、
「今日は何をして楽しかったか」
「どんなときに疲れたか」を
スマホのメモに残すだけでも十分に役立ちました。
「メモ魔」については、下記の記事をご覧ください⬇️
③ 自分の過去を分析する
私は小学校の通信簿を見返したときに、
「図工の作品を丁寧に仕上げている」という記述を見つけました。
それは今の「手先の器用さ」「見た目の整った作業」に
直結していると感じました。
また、作文では
「自分の気持ちを言葉にするのが上手」と書かれていたこともあり、そ
れが今のブログ運営・SNSでの発信につながっている気がします。
当時の「なんとなく得意だったこと」「自然にできていたこと」には、
今のあなたの強みの種が隠れているかもしれません。

「強み」と「弱み」はセットで考える
ここまで読んで、こう思っていただけたかもしれません。

なるほど、強みを見つけるにはこんな方法があるのか
でも、私が強くお伝えしたいのは、
強みと弱みは、表裏一体であるということです。
- 「集中力がある」は「過集中で疲れやすい」とも言える
- 「丁寧に作業できる」は「スピードが遅い」と捉えられることもある
- 「マイペースで冷静」は「協調性が乏しい」と誤解されるかもしれない
- ブログ記事を丁寧に書く
- 文章構成をじっくり考える
- 記事の完成までに時間がかかりすぎる
- 疲れやすい
大切なのは「自分が活躍できる条件」を見つけ、
それを周囲に説明できることです。
私の「強み」と「弱み」実例で紹介します
- 手先が器用
- 部品の組み立て・官能検査など、正確性が求められる作業に強い
- 丁寧な仕事ができる
- 製品の見た目・文書の整えなど
- 規則や手順を守れる
- 業務マニュアル通りの作業に安心感がある
- 声が通る
- 接客・電話対応でも好評だった
- PC操作が得意
- Word・Excelでの事務作業も好き
- 単純作業への集中力が高い
- 過集中しやすく、疲労に気づかない
- 暗黙のルール・曖昧な指示に弱い
- 長時間の同一作業が身体的・精神的に辛い
- 特に、腰のヘルニアがあるため
これらの情報は、
職場に「配慮事項」として伝える材料にもなります。
後日、経験談も加えた記事を執筆します。
投稿次第、こちらに記載します。
最後に:「強み」と「弱み」は「才能ではない」
「強み」と聞くと、
何か特別な才能やスキルを想像しがちですが、
決してそうではありません。
- 疲れずにできること
- 他の人より少し得意なこと
- 人に喜ばれたこと
それが「あなたの強み」です。
そして「弱み」は、決して恥ずべきものではありません。
むしろ、それを知っているからこそ、
無理をせず、自分に合った働き方・生き方が選べるのです。
「強みと弱みを言語化すること」は、
ASD当事者に限らず、
すべての人にとって有益な自己理解の手段だと私は考えています。
今のあなたが「自分のことなんてよく分からない」と思っていても大丈夫。
自分を見つける旅は、今からでも始められます。
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