
「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事・生活に役立つ情報を発信しています(^^)
「自分の特性・限界を理解する」という言葉を耳にすることは多いですが、
実際にどうやって行えばいいのか、
悩む人は少なくありません。
特に「発達障がい」「精神疾患」を抱えている人にとって、
自分の状態を正しく理解することは、
生活の安定・支援の活用につながる重要なステップです。

(管理人)
ただ、この「自己理解」…
心理テストのように「一度で終わるもの」「ではありません」…
「毎日の中で」「自分の状態を観察し」「振り返り」「少しずつ整理していく」
そんな日々の積み重ねが、生きていく土台になります。
そしてその作業は
「働く前」「福祉支援を受ける前」からでも始めることができます。
自分の状態を把握しておくことで、
後に福祉サービスを受ける際もスムーズに情報を共有できるようになり、
生活全体を安定させる基礎になります。
この記事では「一人でできる」「自己理解」を深く解説します。
①:「自分を観察する」ことから始める
自己理解の第一歩は「自分を観察する」ことです。

「観察」って、どこか難しそう…

(管理人)
言葉だけでは、そう感じることでしょう。
しかし、やることはとても簡単です。
「なんとなく疲れた」「今日は集中できた」
そんな「気になった感覚」を「記録していく」だけです。
観察の目的は「できた・できなかった」を評価することではなく、
自分の状態のパターンを見つけることです。
次のような点を「1日単位で」「軽く」メモしてみましょう。
- 朝起きたときの気分、体調
- 集中できた時間帯
- 疲れを感じたタイミング
- 苦手な場面、人とのやり取り
- 睡眠、天気、食事などの影響
最初は「なんか疲れた」のように「ざっくりでOK」です。
毎日続けようとすると疲れてしまうので、
続けやすい形を選びましょう。
こうして自分の状態を「見える化」していくことで、
「自分が『どういう条件で』調子を崩しやすいか」が
少しずつわかってきます。
②:「得意」「不得意」を整理してみる
次のステップは「得意」「不得意」を整理することです。

(管理人)
ここでは「できる・できない」ではなく、
「やりやすい・やりにくい」という視点を持つと良いです。
「①:「自分を観察する」ことから始める」と同じく、
「なんとなく」でOKです(^^)
- 作業、タスクの種類
- 単純作業;物の組み立て、データ入力 など
- クリエイティブ作業;デザイナー、ライター など
- 人との会話 など
- 環境の条件
- 音の大きさ
- 照明の強さ など
- 対人関係
- 一対一
- 大人数
- 体調・気分の波
- 朝型/夜型
- 緊張しやすいタイミングはあるか
紙・メモアプリなどに書いてみると、
自分の「やりやすい条件」が可視化されます。
その情報は、後に支援機関・医師に相談する際にも、非常に役立ちます。

(管理人)
また「好きなこと」と「得意なこと」は「必ずしも一致しません」
「好きだけど」「疲れやすい」活動もあれば、
「特に好きではないけれど」「スムーズにできる」作業もあるでしょう。
これらを初めから理解するのは、とても難しいです。
しかし、その差を客観的に見ることも、
自己理解の重要な一歩です。
③:「限界を知る」=「自己防衛」
「限界を知る」という言葉には、悪い印象があるかもしれません。
しかし、限界を知ることは「諦めではなく」「自分を守る力」です。
多くの人が体調を崩したり、燃え尽きてしまうのは、
「自分の限界を超えて頑張り続ける」からです。

だからこそ「どのあたりで無理が出るのか」を
前もって把握しておくことが大切です。
- 集中力が切れてしまう
- 結果、ミスが増える
- 頭痛、めまいがする
- 感情のコントロールが難しくなる
- 「もう少しだけ」と思っても体が動かない
おすすめ;メモしておくと、後から振り返ることもできます

(管理人)
こうしたサインは「絶対に」無視しないでください。
「休む」「やり方を変える」「人に相談する」
これらの対応を取ることで、再び立ち上がれる余力を残せます。
限界を知るとは、
「自分を『壊さないための』方法」を「身につけること」でもあります。
④:「自分の状態を」「言葉にする」練習をしておく
自分の状態を誰かに伝えるとき、
うまく言葉にできずに苦労する人は多いです。
福祉サービスを受ける前から、
「どんな状況で」「何が」「どのくらい大変なのか」を整理しておくと、
支援員・医師に話すときにスムーズになります。
- 【状況】〇〇をしているとき
- 【問題】△△が起こりやすくなる
- 【影響】□□ができなくなる、疲れがたまる
- 【対策】✕✕をすると、少し楽になる
たとえば…
- 人と話す場面で緊張しやすい
- 会話が終わると、強い疲労を感じる
- 短時間なら大丈夫
このように「自分の状態を」「具体的に」「言語化できる」と、
福祉支援の際「自分に合ったサポート」を受けやすくなります。

⑤:情報を集める:「支援」への理解を深める
自分の状態を整理したら、
次は「支援」について調べてみましょう。
- 就労移行支援
- 就労継続支援
- A型(雇用契約「あり」)
- B型(雇用契約「なし」) など
また、自治体・NPOが運営している
無料の相談窓口もあります。
ここで大切なのは、
「支援」=「特別なもの」という「考えを手放す」ことです。

支援とは「今の自分を支える仕組み」であり、
状況に応じて使い分けてよいものです。
- 相談だけでいいかな…
- ➡️ 地域の相談支援センター
- 働く準備をしたい
- ➡️ 就労移行支援
自分の状態を整理しておけば、
「どの支援が自分に合いそうか」も見えやすくなります。
⑥:記録を活かす:「見える化」が支援につながる
これまでの「観察」「記録」「整理」を続けていくと、
自分の状態が客観的に見えるようになっていきます。

記録を取ることは、単なるメモではなく
「未来の支援への準備」でもあります。
支援を受ける際「客観的な記録」があると、
支援員・医師があなたの状態を理解しやすくなります。
- 一日の中で「疲れやすい時間帯」
- 「集中しやすい環境」の特徴
- 「ストレスを感じる」要因
- 「睡眠」「食事」「体調」の関係
これらの情報は、後に「合理的配慮」「働き方の調整」を考えるうえで
土台になります。

(管理人)
つまり、今の自己理解は、
未来の支援、あなた自身の生きやすさに
直結しているということです。
⑦:「支援を受ける準備」としての自己理解
自己理解は「自己反省会」では終わりません。
それは「合理的配慮を受けるための準備」でもあります。
「合理的配慮」とは
障がいのある人から「社会的なバリアを取り除いてほしい」
そのような意思が示された場合、
その実施に伴う負担が過重でない範囲で、
バリアを取り除くために必要かつ合理的な対応をすること
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5611.html

自分の状態を「観察・整理し」「言葉にできる」ようになることで、
支援員・医師・家族など、第三者とスムーズに協力できるようになります。
支援を受けるときに一番困るのは、
「自分でもよくわからないけど、うまくいかない」という状態です。

(管理人)
この状態で就職したり、福祉サービスを受けても、
「結局何をすれば、自分らしくいられるか」がわかりません。
最終的に「ただ時間を使っているだけ」になってしまいます…
だからこそ、支援を利用する前から
「自分の状態を少しずつ見える化する」ことは、
あなたの生活を守るうえで、とても有効な準備になるのです。
⑧:「できない自分」ではなく「知っている自分」になる
自己理解を深めていく途中では、
苦手なこと・限界が次々と見えてくるかもしれません。

しかし、それを「できない自分」として否定する必要はありません。
むしろ「自分を知っている」ということが、再出発のための最大の力になります。
特性・限界を理解していれば、無理を避け、
エネルギーを大切に使うことができます。
これは、働くときだけでなく、日常生活の中でも役立つスキルです。

今日は調子が悪いな。
家事を減らして、料理だけにしよう

あそこはうるさいな…
行くのは避けよう

体調が落ち着いているときに、まとめて作業しよう…
先延ばしの癖があるから「〇〇だけ」やっておこう…
こうした「自己調整の力」は、支援のあり・なしに関係なく、
あなたを守ってくれるでしょう。
まとめ:「自分を知る力」が「生きやすさの土台」になる
「自分の特性・限界を理解すること」は、
支援を受ける前の人にとって、何よりも大切な準備です。
それは「働くためのスキル」ではなく「生きていくための基礎力」と言えます。
- 自分の状態を観察し、記録する
- 得意、不得意を整理する
- 限界を知り、休むタイミングを見極める
- 状況を言葉にして、共有する
- 支援の情報を集め、使い方を知る
こうした積み重ねによって、
自分の生活の中に「安心できるリズム」が生まれます。

(管理人)
福祉を利用する前でも、
自分を理解する力はすでに育てられる。
それは、自分の人生を「自分で選べる」ようになる
第一歩でもあります。
質問などあれば、お気軽にコメントしてくださいね。
Xでもお待ちしております(^^)


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