「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事や生活に役立つ情報を発信しています!

(管理人)
いきなりなのですが…
私は「頑張る」という言葉が大嫌いです。
これは単なる好みの問題ではなく、
発達障害(特にASD)の特性と深く関係しています。
- 「努力する」
- 「ベストを尽くす」
そんな前向きな意味で使われます。
しかし、私たちASD当事者にとっては、
必ずしもそうではありません。
すでに持てる力を出し切っているにもかかわらず、
「もっと頑張って」と言われると、
心も身体も限界を超えてしまうのです。

「頑張る」のループにハマるとき
以下は、私自身の経験からくる「頑張る」の負のスパイラルです。
- 物事をする(この時「すでに」頑張っている)
- 他人から「まだやれる」と言われる
- 「そうかも」と思って、さらに頑張る
- 作業が終わった後、極度の疲労感に襲われる
- 1〜4が何度も繰り返され、心身に大きな負担がかかる

(管理人)
「気がついたら精神的にダウンしていた…」
そんな方も少なくないはずです。
ASDの特性として、「がんばりすぎ」に気づきにくいことがあります。
これは自己認識のズレでもあり、
「やると決めたら最後までやらなきゃ」という完遂思考や、
「周囲に合わせなきゃ」という過剰な適応が背景にあります。

過集中という「罠」
ASDの方によく見られる「過集中」も、
頑張りすぎの大きな原因です。
以下のような経験を何度もしました。
- 気づいたら、休憩時間が過ぎていた
- 終了時間になっても作業が終わっていないと、無意識に作業を続けていた

その時は、
『集中していた』『キリのいいところまでやりたかった』など、
自分の理由がありました。
しかし、気づいた時にはぐったり…
帰宅してから、動けなくなることもしばしばありました。

過集中は一見すると「いいこと」のように扱われがちですが、
ASD当事者にとってはリスクでもあります。
- 休憩を取れない
- 疲れに気づかない
- 限界までやってしまう など
それが積み重なると、
ある日突然「何もできない」状態になります。

(管理人)
私も、何度も経験しました…
「疲れた」と気づく前に、どう対策する?

(管理人)
頑張らないようにしよう…
これは私自身、毎日心がけていることです。
しかし問題は、「心がけているだけ」では足りない、ということなのです。
➡️頭では「休もう」と思っていても、
身体がそのサインを無視してしまうことがあるからです。
では、どうすればいいのでしょうか?
疲労を「数字で表す」ことで客観視する
ある日。
就労移行支援の職員さんからこう言われました。

今の疲労度、1から10で言うとどれくらい?
1がめちゃくちゃ元気で、10がもうダメ…って感じ。
直感でいいから、答えてみて。
最初は戸惑いましたが、少しずつ慣れていきました。
以後、私は日報の空きスペースにこのように記録しました。
以下の決まった時間に、記録しました。
- 出勤時(朝)
- 午前の作業終了後(昼食前)
- 午後の作業終了後(夕方頃)
例えば⬇️
- 出勤時 → 2(わりと元気)
- 午前終了時 → 5(ちょっと疲れた、けど大丈夫)
- 午後終了時 → 8(まぁまぁ疲れたかな…)
これを1ヶ月から2ヶ月続けていくと、
自分の「疲れの傾向」が見えてきました。

(管理人)
- 午前中だけでも、かなり疲れているな
- 週の後半になるほど、疲労が抜けにくい
- 作業が単調な日より、変化のある日のほうが疲れる
そういったことが可視化できると、
「今日は午後は軽めにしよう」
「明日はあまり予定を詰めないようにしよう」と、
自分を守る計画が立てられるようになったのです。
完璧な把握なんて無理。だからこそ、無理をしない
ある月、主治医の診察でこんなやりとりがありました。

(管理人)
自分では気づいてないだけで、
疲労が溜まっているのかもしれません…
「疲れてない」そう思っていても、
あとからぐったりすることが、よくあるんです。

そんなに気にしなくていいですよ。
疲労を正しく判断できる人なんて、いませんから。
この一言が、本当に救いになりました。
「ちゃんと把握しなきゃ」
「もっと自分を分析しなきゃ」と思っていた自分にとって、
「誤差があって当然」と言ってもらえたことは大きかったのです。
私たちにとって大切なのは「正確に」ではなく、
「だいたい把握して無理を避けること」です。
自分の「頑張らない」習慣を持とう
数字で疲労を記録するようになってから、
私は少しずつ「無理をしない」習慣が身につきました。
しかし、これはあくまで一例です。
人によっては、こんな方法も有効かもしれません。
- タイマーをかけて、強制的に休憩時間を設ける
- 25分作業 + 5分休憩 など
- 日記に「今日の疲れポイント」を書く
- スマホのメモに「疲れ度」を記録する
- 他人に「疲れてきたかも」と言葉に出してみる
- 言語化することで、気づくことができる場合があります
そして何より大切なのは、
「疲れたら休む」「頑張らない自分を責めない」という考え方です。
ASD当事者にとっての「頑張る」の再定義
ASDの特性を持つ私たちにとって、
「頑張る」とは一般的な意味とは少し違います。
✔️「すでに十分頑張っている自分」に気づくこと
✔️「今の自分を大切にする」ことが本当の頑張り
✔️「休むこと」「断ること」も、勇気ある行動の一つ
無理に社会のペースに合わせる必要はありません。
自分のペース、自分の方法で、「自分を守る頑張り方」を選びましょう。
最後に:今日も「頑張らない」を大切に
この記事を書いている今も、
「今日、私は頑張りすぎていないかな?」と自分に問いかけています。
- 疲れていないと思っている
- でも実は、肩が重い
- やる気が出ない
- 心が「もう限界」と、言っているのかもしれない
- 「ほどほど」でいい。
- それで十分、生きていける。
だから私はこう言います。

(管理人)
「今日も無理しないように」
これは自分への自戒でもあり、あなたへのメッセージでもあります。
あなた自身の「疲労の可視化」や「頑張らないための工夫」があれば、
ぜひコメントで教えてください。
同じASD当事者として、あなたの経験が誰かのヒントになります。
今日も、あなたが「あなたらしく」過ごせる一日になりますように。
コメント