ASDの疲労対策:頑張らない技術

発達障害

「ASDなそら」管理人のそらです。

ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、

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いきなりなのですが…
私は「頑張る」という言葉が大嫌いです。

これは単なる好みの問題ではなく、

発達障害(特にASD)の特性と深く関係しています。

『多くの人にとって』頑張るとは…
  • 「努力する」
  • 「ベストを尽くす」

そんな前向きな意味で使われます。

しかし、私たちASD当事者にとっては、

必ずしもそうではありません。

すでに持てる力を出し切っているにもかかわらず、

「もっと頑張って」と言われると、

心も身体も限界を超えてしまうのです。

「頑張る」のループにハマるとき

以下は、私自身の経験からくる「頑張る」の負のスパイラルです。

「頑張る」のループ
  1. 物事をする(この時「すでに」頑張っている)
  2. 他人から「まだやれる」と言われる
  3. 「そうかも」と思って、さらに頑張る
  4. 作業が終わった後、極度の疲労感に襲われる
  5. 1〜4が何度も繰り返され、心身に大きな負担がかかる
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「気がついたら精神的にダウンしていた…」
そんな方も少なくないはずです。

ASDの特性として、「がんばりすぎ」に気づきにくいことがあります。

これは自己認識のズレでもあり、

「やると決めたら最後までやらなきゃ」という完遂思考や、

「周囲に合わせなきゃ」という過剰な適応が背景にあります。


過集中という「罠」

ASDの方によく見られる「過集中」も、

頑張りすぎの大きな原因です。

私が就労移行支援を利用していた時…

以下のような経験を何度もしました。

  • 気づいたら、休憩時間が過ぎていた
  • 終了時間になっても作業が終わっていないと、無意識に作業を続けていた

その時は、
『集中していた』『キリのいいところまでやりたかった』など、
自分の理由がありました。

しかし、気づいた時にはぐったり…
帰宅してから、動けなくなることもしばしばありました。

過集中は一見すると「いいこと」のように扱われがちですが、

ASD当事者にとってはリスクでもあります。

過集中のリスク(一部)
  • 休憩を取れない
  • 疲れに気づかない
  • 限界までやってしまう など

それが積み重なると、

ある日突然「何もできない」状態になります。

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私も、何度も経験しました…


「疲れた」と気づく前に、どう対策する?

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頑張らないようにしよう…

これは私自身、毎日心がけていることです。

しかし問題は、「心がけているだけ」では足りない、ということなのです。
➡️頭では「休もう」と思っていても、
 身体がそのサインを無視してしまうことがあるからです。

では、どうすればいいのでしょうか?


疲労を「数字で表す」ことで客観視する

ある日。

就労移行支援の職員さんからこう言われました。

今の疲労度、1から10で言うとどれくらい?
1がめちゃくちゃ元気で、10がもうダメ…って感じ。
直感でいいから、答えてみて。

最初は戸惑いましたが、少しずつ慣れていきました。

以後、私は日報の空きスペースにこのように記録しました。

「疲労度」の残し方

以下の決まった時間に、記録しました。

  • 出勤時(朝)
  • 午前の作業終了後(昼食前)
  • 午後の作業終了後(夕方頃)

例えば⬇️

  • 出勤時 → 2(わりと元気)
  • 午前終了時 → 5(ちょっと疲れた、けど大丈夫)
  • 午後終了時 → 8(まぁまぁ疲れたかな…)

これを1ヶ月から2ヶ月続けていくと、

自分の「疲れの傾向」が見えてきました。

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  • 午前中だけでも、かなり疲れているな
  • 週の後半になるほど、疲労が抜けにくい
  • 作業が単調な日より、変化のある日のほうが疲れる

そういったことが可視化できると、

「今日は午後は軽めにしよう」

「明日はあまり予定を詰めないようにしよう」と、

自分を守る計画が立てられるようになったのです。


完璧な把握なんて無理。だからこそ、無理をしない

ある月、主治医の診察でこんなやりとりがありました。

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そら
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自分では気づいてないだけで、
疲労が溜まっているのかもしれません…

「疲れてない」そう思っていても、
あとからぐったりすることが、よくあるんです。

主治医
主治医

そんなに気にしなくていいですよ。
疲労を正しく判断できる人なんて、いませんから。

この一言が、本当に救いになりました。

「ちゃんと把握しなきゃ」
「もっと自分を分析しなきゃ」と思っていた自分にとって、

「誤差があって当然」と言ってもらえたことは大きかったのです。

私たちにとって大切なのは「正確に」ではなく、

「だいたい把握して無理を避けること」です。


自分の「頑張らない」習慣を持とう

数字で疲労を記録するようになってから、

私は少しずつ「無理をしない」習慣が身につきました。

しかし、これはあくまで一例です。

人によっては、こんな方法も有効かもしれません。

  • タイマーをかけて、強制的に休憩時間を設ける
    • 25分作業 + 5分休憩 など
  • 日記に「今日の疲れポイント」を書く
  • スマホのメモに「疲れ度」を記録する
  • 他人に「疲れてきたかも」と言葉に出してみる
    • 言語化することで、気づくことができる場合があります

そして何より大切なのは、

「疲れたら休む」「頑張らない自分を責めない」という考え方です。


ASD当事者にとっての「頑張る」の再定義

ASDの特性を持つ私たちにとって、

「頑張る」とは一般的な意味とは少し違います。

✔️「すでに十分頑張っている自分」に気づくこと

✔️「今の自分を大切にする」ことが本当の頑張り

✔️「休むこと」「断ること」も、勇気ある行動の一つ

無理に社会のペースに合わせる必要はありません。

自分のペース、自分の方法で、「自分を守る頑張り方」を選びましょう。


最後に:今日も「頑張らない」を大切に

この記事を書いている今も、

「今日、私は頑張りすぎていないかな?」と自分に問いかけています。

  • 疲れていないと思っている
    • でも実は、肩が重い
  • やる気が出ない
    • 心が「もう限界」と、言っているのかもしれない
  • 「ほどほど」でいい。
    • それで十分、生きていける。

だから私はこう言います。

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そら
(管理人)

「今日も無理しないように」

これは自分への自戒でもあり、あなたへのメッセージでもあります。

あなた自身の「疲労の可視化」や「頑張らないための工夫」があれば、

ぜひコメントで教えてください。

同じASD当事者として、あなたの経験が誰かのヒントになります。

今日も、あなたが「あなたらしく」過ごせる一日になりますように。

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