HSPとASDを混同していませんか?〜当事者が語る見分け方と対応策

発達障害

「ASDなそら」管理人のそらです。

ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事・生活に役立つ情報を発信しています(^^)


近年「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉が広く知られるようになり、
多くの人が自分の特性について考える機会が増えました。

HSPは「繊細さん」とも呼ばれ、
外部からの刺激に敏感で、感受性が強い人を指します。

一方で「自分はHSPではなく、ASD(自閉スペクトラム症)なのでは?」と
疑問を持つ人も少なくありません。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

私自身も、HSPに関する動画を多く見ました。

「もしかして自分も?」と感じ、
関連書籍を読むうちに、確信を持ちました。

その後主治医に相談したところ、
実際にASDと診断されるに至った経験があります。

HSPとASD、どちらも「繊細」「人より疲れやすい」など
共通する面がありますが、本質はまったく異なります。

この記事では、発達障がい当事者である筆者が、
混同されがちな2つの特徴を比較しながら、
実生活での違い・対応策をお伝えします。

HSPとは?

HSP(Highly Sensitive Person)は、
心理学者エレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念で、
人口の15〜20%がこの特性を持つとされています。
※ HSPの提唱者のHPは、こちらから

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そら
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大切なのは「概念」であって「病気ではない」ことです。

病院に行ったとしても
「HSPの診断」をもらうことはできません。

実際に、私も「HSPかも」と主治医に相談したところ、
「そういうものもあるね」まででした。

HSPの特徴は以下の4つの要素に分類されます。
(アルファベットの頭文字から「DOES」と呼ばれることもあります)

1. 深く考える(Depth of Processing)

HSPの人は「物事を深く考え」細部にまで気を配ります。
そのため、慎重な判断をする一方で「決断に時間がかかる」こともあります。

まさしく「考える人」

2. 刺激を受けやすい(Overstimulation)

「音」「光」「人混み」などの環境刺激に敏感で、
「すぐに疲れてしまう」ことがあります。

特に「大きな音」「強い匂い」に弱い人もいます。

3. 感情の反応が強く、共感力が高い(Emotional reactivity and empathy)

「他人の気持ちを敏感に察し、共感しやすい」特性があります。

そのため周囲の影響を受けやすく
「感情的に疲れやすい」ことも多くあります。

4. 微細な刺激に敏感(Sensitivity to subtleties)

HSPの人は、
他の人が気づかないような「些細な変化にも気づく」ことができます。

例えば以下のようなことに敏感です。

  • 相手の声のトーン
  • 表情のわずかな違い

HSPとASDの共通点と違い

HSPとASDの特性は一部重なりますが、
大きく異なる点もあります。

自分はHSPなのか、ASDなのか分からない」と悩む方のために、

それぞれの共通点、違いを整理しました。

「HSP」「ASD」の共通点

  • 感覚過敏
    • HSP、ASD双方とも「音」「光」「匂い」などの刺激に敏感
  • 人間関係の疲れやすさ(特に多いこと)
    • HSP ➡️「共感しすぎる」ことで疲れる
    • ASD ➡️「暗黙のルールを理解すること」にエネルギーを使いすぎて、疲れる
  • 一人の時間を必要とする
    • HSP ➡️「刺激を調整する」ため
    • ASD ➡️「情報処理の負担を軽減する」ため

「HSP」「ASD」の違い

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そら
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「簡単な表」にして、まとめてみました(^^)

項目比較ポイント
原因HSP ➡️ 性格的敏感さ
ASD ➡️ 発達障害由来の特性
共感性HSP ➡️ 共感力が高い
ASD ➡️ 共感が苦手
社会的スキルHSP ➡️ 対人スキルあり
ASD ➡️ 対人関係に困難
社交性HSP ➡️ 社交的で傷つきやすい
ASD ➡️ 社交が苦手
ルーティンへのこだわりHSP ➡️ 柔軟
ASD ➡️ ルーティン重視で変化苦手
感覚過敏の有無HSP ➡️ 刺激に敏感だが、程度差あり
ASD ➡️ 感覚の偏りが顕著
環境対応力HSP ➡️ 環境対応力あり
ASD ➡️ 変化に弱い
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そら
(管理人)

より詳しく知りたい方は、
下記もあわせて、ご覧ください ⬇️

項目HSP(繊細さん)ASD(自閉スペクトラム症)
原因◎ 生まれつきの敏感な気質
◎ 性格的な特徴
◎ 発達の神経特性
◎ 脳の機能的な違い
共感力◎ 他人の感情に敏感
◎ 共感しやすい
◎ 他人の気持ちを察知しにくい
◎ 共感が苦手なことが多い
社会的
スキル
◎ 基本的な対人スキルがある
◎ 人間関係が苦手でも対応可能
◎ 暗黙のルールを理解しにくい
◎ 対人関係で困難が起こりやすい
社交性◎ 傷つきやすい
◎ 理解力があり人と関われる
◎ コミュニケーションに困難がある
◎ 言語・非言語で苦戦しやすい
ルーティンへの
こだわり
◎ 強いこだわりは少ない
◎ 安心できる環境を好む
◎ ルーティンや手順に強いこだわり
◎ 変化に弱い
感覚過敏の
有無
◎ 音・光・匂いに敏感なことが多い
◎ ただし全員ではない
◎ 感覚過敏または鈍感の偏りが強い
◎ 極端な反応も見られる
環境対応力◎ 高い共感力で柔軟に対応可能
◎ 状況に応じた適応ができる
◎ 変化に弱く不安を感じやすい
◎ 予測不能な状況が苦手

生きやすくするためのヒント

HSPやASDの特性を理解し、快適に過ごすための工夫を紹介します。

刺激をコントロールする

HSPとASDの共通点のひとつに「感覚過敏」があります。

過剰な刺激を減らし自分に合った環境を作ることは、
どちらの特性にも有効です。

  • イヤーマフ・ノイズキャンセリングイヤホン(ヘッドホン)を活用する
  • 照明を調整し、間接照明・ブルーライトカットを取り入れる
    • スマートフォンの画面を、モノクロにするのも有効です
  • 人混みを避け、静かな場所で過ごす
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

私自身は、以下の対策をしています。

  • ヘッドホンを使う
    • 自宅、外出先で環境音を遮る
  • スマホの画面を「モノクロ」にする
  • 服を選ぶときは、素材をよく見る

おすすめのヘッドホンに関しては、こちらからご覧ください

一人の時間を確保する

HSPは「他者の感情の影響を受けやすい」
ASDは「対人関係のルールに気を使いすぎる」傾向があります。

どちらの特性の人も適度に一人の時間を持つことで、
気持ちをリセットしやすくなります。

  • 毎日、一人でリラックスする時間を作る
  • 好きな本を読む|好きな音楽を聴く
  • 自然の中を散歩してリラックスする
  • 周囲に「一人の時間が必要」と伝える
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そら
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おすすめは「外出」です。

自宅にひきこもっていても、気持ちは落ち込むだけです。
公園など、簡単に一人になれる場所を選ぶとよいでしょう。

まずは「散歩」から始めると、良い気分転換になります。
「散歩のはじめ方」については、こちらからご覧ください

無理に「普通」になろうとしない

HSPの人は「もっと鈍感になれたら…」
ASDの人は「もっと社交的になれたら…」と考えることがあります。

しかしそれぞれの特性は強みでもあり、
無理に変えようとするとストレスが増えます。

  • HSPの人 ➡️「共感しすぎなくていい」と意識する
  • ASDの人 ➡️「対人関係のマニュアル」を作る
    • 自分に合ったペースで関わる
  • 自分の特性を認める
    • それを活かす方法を見つける
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そら
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「特性を認める」ことは、極めて重要です。
詳しくは、こちらからご覧ください⬇️
障害当事者に必要な「自己受容力」

あなた自身を否定してしまうと、
ネガティブ思考のループから抜け出せなくなってしまいます…

私自身も経験しましたが、
あの体験はなんとも言えません…

人間関係の距離感を調整する

HSPの人は「相手の気持ちを考えすぎる」
ASDの人は「相手の気持ちを読み取るのが難しい」といった違いがあります。

これを理解することで、お互いに心地よい距離感を作ることができます。

  • HSPの人 ➡️「相手の感情を背負いすぎない」
  • ASDの人 ➡️「言葉で確認する」習慣をつける
    • 曖昧な表現ではなく「具体的な説明を求める」
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そら
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これらは、徐々にできていけばよいです。

特にASDの方は「他人が理解できない」事が多いです。
私もその一人です。

「こそあど言葉」に代表される抽象的な表現は、
あなた自身から使うのは避けましょう。

その代わり「物の名前」など、
はっきり分かる言葉を用いると、
相手もそれにつられて

具体的な言葉を使ってくれるようになります

自分に合った仕事や働き方を選ぶ

HSPの人もASDの人も、
合わない環境では強いストレスを感じます

自分の特性を活かせる仕事や働き方を見つけることで、
より快適に過ごせます。

  • 「静かな環境」で「集中できる」仕事を選ぶ
    • ライティング、プログラミング、デザイン など
  • 「対人関係の負担が少ない」働き方を考える
    • 在宅勤務、副業 など
  • 「興味」「得意分野」を活かせる「専門職」を目指す
    • ポイント:副業などで「小さく始める」こと
そら<br>(管理人)
そら
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「ハローワーク(公共職業安定所)で…」も良いですが、
ネットで探すのが、より有効な方法です。

どちらを選択しても、
コツコツ続けていくことが大切になります。
「2〜3年」は見ておきましょう。

おわりに|「快適な生き方を見つける」ための第一歩を踏み出そう

HSPとASDの違いを理解し、
自分に合った生き方を見つけることが大切です。

「自分がどの特性を持っているか」を知ることで、
適切な対策を取ることができます。

もし「自分はHSPなのか、ASDなのか分からない」と悩んでいる場合は、
一度専門家に相談することをおすすめします。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

それまでに、
あなた自身の違和感を「3行日記」など、
メモに書き起こすと、より良いでしょう。

「3行日記」について詳しくは、以下で紹介しています⬇️
3行日記の書き方と効果〜ASD当事者が実感した自己理解とメンタル安定

自分の特性を受け入れ、無理のない環境を整えることで、
より快適な日々を送ることができるでしょう。


そら<br>(管理人)
そら
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質問などあれば、お気軽にコメントしてくださいね。

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