ASDの失敗体験と対処法まとめ

はたらく

「ASDなそら」管理人のそらです。

ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、

仕事や生活に役立つ情報を発信しています!


私が就労移行支援を利用していた時期は、

正直に言うと毎日が挑戦の連続でした。

そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

ちょっとしたミスが大きな不安に変わり、
「自分には無理かも…」と感じたこともあります。

でも、その一つひとつの経験が今では糧になり、
お仕事に活かしています。

この記事では、就労移行支援で直面した課題や失敗、

それを乗り越えるために取り入れた工夫や考え方の変化について、

具体的にお伝えします。

ASD当事者としての視点を交えてお伝えしますので、

同じように支援を受けている方、

これから検討している方のヒントになれば嬉しいです。

1. 細かい作業内容の「聞き取りミス」

失敗談:分類を間違えて全部一緒に入れた…

ある日、資料を「分類ごとに分ける」という仕事を任されました。

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ところが私は、焦っていたせいか、

「全部一緒に入れる」と真逆の意味で受け取ってしまい、

せっかく仕分けされた資料を一つにまとめてしまいました。

指示を確認しなかった自分に落ち込み、

帰宅後も何度も思い出しては後悔しました。

原因

  • 一度聞いた内容を、そのまま信じ込みやすい
  • 「曖昧な指示」の解釈が苦手
  • 「聞き返すと怒られるかもしれない」という不安

このようなASD特有の特性が絡んで、

ミスにつながっていたのだと思います。

工夫と改善:確認とメモの習慣

  • 「メモを取る」習慣をつける
    • 箇条書きでOK
    • 自分なりの記号・略語でも大丈夫
  • 「自分の理解が正しいか」相手に確認する
    • 「つまり、〇〇ということですね」と聞き返す
      ➡️ ミスが減ります
  • 勇気を出して「質問する」
    「すみません、もう一度教えていただけますか?」
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

質問することについて、
最初は「聞くことが、とても怖かった」です。

けれでも、言えた後の「ほっとした」安心感は
非常に大きかったです。

それからは、質問することが
少しずつ怖くなくなっていきました。


2. 作業そのものを「間違える」

失敗談:入力ミス・計算ミスが連続

PCでデータを入力する仕事をしていたときのこと。

数字を打ち間違えたり、Excelの計算式(関数)をミスしたり…

結果的に全体の集計に影響してしまい、

職員さんに謝る羽目になりました。

原因

  • 「過集中」で周囲の状況が見えなくなる
  • 一つの作業にのめりこむと、工程を飛ばしやすい
  • 確認作業が苦手で、面倒に感じてしまう

工夫と改善:チェックリストと工程の可視化

  • 作業手順を紙に書き出す
    • ①入力 → ②確認 → ③印をつける → ④上司に報告
    • 明文化すると、その作業の理解が深まります
  • チェックボックスを作る
    • 完了した項目にチェックを入れる
    • 達成感を得られる
  • 「人に見せる前提」で作業する
    • 「誰かが見ている」と思うと、自然と丁寧になる
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

チェックリスト・付箋・メモのように
「見える化する」ことは、想像以上に心強い味方です。

詳しくはこちらから


3. 「過集中」を使いこなせない

失敗談:作業にのめり込みすぎて、次の予定をすっぽかす

パソコンでの作業に集中していたある日。

気づいたら2時間以上が経過。

スタッフの方に「どうしたの!?」と驚かれ、

「えっ!?もうそんな時間?」と焦りました。

原因

  • 「今」に集中しすぎて、時間の流れが感じられなくなる
  • スケジュールの全体像が頭に入っていない
  • 声をかけられるまで、自分で気づけない

工夫と改善:時間管理と「やることリスト」

  • タイマーを使う
    • スマホのアプリで充分
      ➡️ 誘惑に負けてしまうなら、市販のものを使うとGOOD
  • 朝一番でToDoリストを作る
    • 予定が「見える」だけで、ぐっと安心感が増す
  • ホワイトボード・付箋を使って視覚的に管理する
    • 「残りのタスクがあといくつか」がわかると、気持ちが整理される
そら<br>(管理人)
そら
(管理人)

上司にスケジュール管理を任せる、というのもアリです。

もしそうされるなら、あなた自身の現状をしっかり把握して
伝えるようにすると良いでしょう。


失敗から得た、大切な3つの学び

就労移行支援の訓練の中で、

繰り返しミスをしては落ち込み、工夫してはまたチャレンジ…

そんな日々を過ごして特に感じたのは
「失敗は悪ではない」ということです。

むしろ、失敗があるからこそ
「次はどうしようか」と考える力が育っていきます。

以下に3つの、ミスから獲得したことを紹介します。

①:「確認・整理」の習慣をつける

指示を受けたら、すぐ作業に移るのではなく、

まず「確認」「整理」することを心がけましょう。

たったそれだけでも、ミスの確率が激減しました。

工場では、よく行われるようです

②:「困ったら助けを求める」ことは恥じゃない

聞くことは、迷惑ではなく「連携」です。

支援者(上司や同僚)はあなたを責めるためではなく、

「一緒に進むため」にいます。

もし助けを求めて、上司の対応に違和感を感じるなら、

別の方に相談するのが良いでしょう。

それでもダメなら、その職場から離れることを勧めます。

③:「時間は使うもの」と意識する

「いつまでに」「どのくらいやるか」と区切りをつけると、

自分のエネルギー配分がうまくいくようになりました。

例えば…
  • 1つの作業」は「30分以内で終わる」ようにする
  • 30分だと、このくらいできる(数字で表すとGOOD)

これらを理解するためにも
「失敗 = 悪」という考えを変える必要があるのです。


これから支援を受ける方へ「アドバイス」

就労移行支援や継続支援、実習の場は
「社会に出るためのリハーサルステージ」です。

ここで失敗していいんです。
むしろ、ここでしかできない失敗があると思っています。

①:小さな一歩から始めてOK

  • まずは、挨拶する「だけ」
  • 一言メモを取る「だけ」
  • タイマーを試しに、使ってみる「だけ」

どれも立派な「行動」です。

その一歩が、未来に影響してきます。

②:職員さんに相談してみよう

以下の視点は、とても貴重なのです

「こんなことで困っている」「こういう方法が合わないかも」など

事業所の職員さん達は、

あなたが「やりやすい方法」を一緒に、親切に考えてくれます。

どんな小さな困りごとでも構いません。

気軽に話しかけましょう。

③:あなたの経験は、未来の誰かを救います

あなたが乗り越えた「つまずき」は、きっと誰かの「勇気」になります。

だからこそ、焦らず、一歩ずつ、ぼちぼちと。

「昨日より、ちょっとやりやすかった」だけで、それは大きな成長です。

Apple創業者<br>スティーブ・<br>ジョブズ
Apple創業者
スティーブ・
ジョブズ

将来をあらかじめ見据えて、
点と点をつなぎあわせることなどできません。

できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。

米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にて:日本経済新聞より


おわりに:「今日も、一歩前に進めてる」

私は今、支援を受けていた頃の自分にこう言いたいです。

「大丈夫。今日もちゃんと、前に進んでる」

失敗しても、落ち込んでも、悩んでも。

それでも「明日また来た」ことが大事です。

就労移行支援は、「自分なりの働き方」を見つける場。

完璧な社会人になるのではなく、「自分らしく働ける準備」をする場所です。

読んでくださったあなたの経験も、きっと誰かの光になります。

ともに、前を向いて歩んでいきましょう。

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