
「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事・生活に役立つ情報を発信しています(^^)

私は「診断を受ける」ほうがいいのかな?

「障害者手帳を取得すべき」なのだろうか?
この2つのテーマは、多くの人にとって大きな関心事です。
特に「発達障害」「精神疾患」を抱える方にとって、
診断/手帳の有無は、人生の選択に直結することがあります。
しかし実際には「診断」と「障害者手帳」の違いを
きちんと理解している人は少なく、混同されがちです。

(管理人)
私自身、ASDの診断を受け、
そこから手帳取得の可能性について考えた経験があります。
その過程で「診断と手帳は、似ているようで全く違うもの」
そう感じました。
この記事では、両者の違いをできるだけわかりやすく整理し、
読者の方が「自分に必要かどうかを判断できる」材料を提供していきます。
Q;診断とは何か?
A;医学的な意味での「診断」
診断とは、医師が医学的な基準に基づいて下す判断です。
精神科や心療内科、発達障害外来などで問診・心理検査・行動観察を行い、
「この人には○○障害の傾向がある」と客観的に示されるものです。
診断の基準は、以下に基づきます。
(リンクをさわると、対応したページに飛びます)
- DSM-5
- アメリカ精神医学会の診断マニュアル
- ICD-10/ICD-11
- 世界保健機関の診断基準
診断を受ける「メリット」
- 自己理解がすすむ
- 自分の困りごとに「名前」がつくことで、整理しやすくなる
- 周囲への説明がしやすい
- 学校/職場で「医師の診断書」を提出できる
- 「合理的配慮」を求めやすくなる
- 「障害者手帳を取得したい」「福祉制度を利用したい」
- 上記が目標であれば、診断は「そのための第一歩」になる

(管理人)
あなた自身を理解するに当たり、
調べる時にはとても便利です(^^)
また、他者が調べる際にも、
大まかな傾向が確認できるため、有効です。
このあと紹介しますが
「障害者手帳の取得」「福祉制度の活用」には
医師の診断(診断書)が必須になります。
それらの考えがある方は、
まず「医師に相談する」ことをしましょう。
診断の「デメリット」「注意点」
- レッテル感を持つ場合がある
- 「障害名」がつくことで、不安を抱く人もいる
- 診断がすぐ、解決に直結するわけではない
- 「困りごとが一瞬で消える」わけではない

(管理人)
「障害というレッテル」は
「周りから差別されているんじゃないか…」
そんな悩みを生んでしまいます。
不安が強く、診断を受ける以前の生活に戻ってしまった場合は、
「診断されたとしても、公表しない」のも1つです。
また「診断された」からといって、楽にはなりません。
あなた自身から発信する必要があります。
厳しい言い方ですが「他者が寄り添ってくれる」ことは、
診断だけでは、まず起きないでしょう。
Q;障害者手帳とは何か?
A;公的に認められる「証明書」
障害者手帳は、自治体が交付する公的な証明書です。
医師の診断書をもとに審査を受け、認定されれば交付されます。
種類は以下のとおりです。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
発達障害や精神障害を持つ人は、
主に「精神障害者保健福祉手帳」の対象となります。
手帳を持つ「メリット」
- 福祉制度の利用
- 就労移行支援
- 生活支援サービス
- カウンセリング など
- 雇用上の配慮
- 「障害者雇用枠での就労」が可能になる
- 経済的メリット
- 税金控除
- 公共交通の割引
- 美術館・プール・映画館などの割引

(管理人)
「福祉制度を活用すること」=「他者の手を借りる」
つまり「社会に出るための準備」といえます。
「障害者雇用」で就労するには、手帳が必須です。
その方が、企業側にメリットがあるためです。
(詳しくはこちらから、事業主の方へ|厚生労働省HP)
参照;「障害者雇用のルール」「1.障害者雇用率制度」
「《「障害者」の範囲》」
給料が正社員と比べて低くなりますが、
「働いている」証になることは大きいです。
手帳を取得する「最大のメリット」は「割引」です。
無料になるものも多く、移動範囲が格段に上がります。
「税金控除」は働いていると特に大きく、
ほとんどの場合、収入に対して税金がかかりません。
手帳取得の「デメリット」「注意点」
- 取得・更新の手続きが必要
- 医師の診断書・自治体への申請に時間がかかる
- プライバシーの問題
- 職場に伝えるかどうか悩む人もいる
- クローズ就労(障害であることを職場に伝えない)もあるが、
デメリットが大きすぎる
- 「手帳が義務」ではない
- 持たない選択も可能

(管理人)
参考までに私の場合、
「取得には3ヶ月」「更新には1か月」かかりました。
取得時・既に持っている手帳を新しいものに変える時は、
「診断書」の他に「証明写真」が必要な場合が多いです。
収入が少ない・ゼロに近い場合、
手帳を取得によってメリットを多く受けることができるため、
「持たれることを強くおすすめ」します。
障害の症状が軽く、生きていくにあたり
「障害者雇用ではなく、一般就労にしたい」場合は
「一時的な取得にとどめ」
「将来的に、返納することを考える」と良いでしょう。
私もそうしようと考えています。
「診断」「障害者手帳」の違い
わかりやすく整理すると、以下のようになります。
項目 | 診断 | 障害者手帳 |
---|---|---|
出す人 | 医師 | 自治体 |
目的 | 医学的に状態を把握 | 公的に障害を証明 |
必要なもの | 問診・検査 | 医師の診断書 |
メリット | 自己理解/配慮依頼が可能 | 支援制度/割引を利用できる |
デメリット | レッテル感 直ちに解決しない | 手続きが面倒 公表することに迷う |

(管理人)
一言で表現すると、こうなります。
- 診断 =「スタート地点」
- 手帳 = 制度を使うための「パスポート」
どちらを選ぶべき?診断だけ?それとも手帳も?
ここまでで「診断」と「障害者手帳」の違いを整理しました。
では実際に、あなた自身は…
- 「診断だけで十分」なのか?
- それとも「手帳まで取得すべき」なのか?
これが一番気になるところだと思います。
- 「自分の困りごと」を理解できればよい
- 職場/学校で「配慮を求める根拠」がほしいだけ
- 支援制度/障害者雇用を、すぐには利用しない
- 手帳の更新/手続きの負担を避けたい
👉 「自己理解」「周囲への説明」が目的なら、診断だけでも意味は大きいです。
- 「経済的なサポート」が必要
- 税金控除/割引を受けたい
- 就労移行支援などの「福祉制度を使いたい」
- 「障害者雇用枠で働きたい」「一般就労が難しい」
- 社会的な支援なしでは「生活が安定しづらい」
👉 「生活や就労を支える制度」が必要な場合、手帳は強力なツールになります。

(管理人)
両方のケースがあり、
正解は人によって異なります。
一人で抱え込まず、
医師・相談機関などへしっかり相談した上で、
決断されてください。
迷っている人へのステップ
- 「まず診断を受ける」
- 「必要性を感じたら」手帳を検討する
- 手帳は「必須」ではない
- 診断のあとで「支援が必要だ」と思えば、申請すれば大丈夫
- 「手帳は返納もできる」
- 更新時に「更新しない」選択も可能
- 「一度取ったら一生というもの」ではありません
私の体験談;手帳を取得した
私はまず診断を受け、自分の特性を整理することができました。
その段階で「なぜ今まで苦しかったのか」が理解でき、
気持ちが軽くなったのを覚えています。

また書籍を読みあさり、自分の特性を深く理解していきました。
「働いた経験がなかった」ため、
「アルバイトから始めよう」と面接を受けましたが、
パニック障害があることがひっかかり、不採用となりました。

「働くハードルを下げたい」その思いで手帳の取得に乗り出しました。
その後、外部の相談センターで就労移行支援を教えてもらいました。
そちらを通して、今は希望する仕事に就けています。

(管理人)
この経験から感じるのは、以下のとおりです⬇️
👉 「診断だけでも、人生を変えることができる」
👉 「手帳があれば、制度を使ってさらに生活を整えられる」
よくある質問
Q1. 診断を受けたら「必ず」障害者手帳を取らないといけない?
A;そうではありません。「取得はあくまで任意」です。
ただし「手帳を取得する」なら「診断(医師の診断書)は必須」です。

(管理人)
取得する際、診断書が必要ですが、
それ以上の経済的メリットがあります。
Q2. 手帳を取ると「一生そのまま」?
A;そんなことはありません。
更新時に更新しない(返納する)ことも可能です。

症状が軽く、のちに一般就労に切り替えたいと考えている方は
「更新しない」選択肢を持つことが大切です。
Q3. 診断を受けると、人生が変わる?
A;一気に変わるわけではありません。
ただし「なぜ生きづらいのか」が見えることで、
対応策を考えやすくなります。

(管理人)
漢方薬みたいに、徐々に効いてきます。
最初は苦しいかもしれませんが、
あなた自身の理解が深まるにつれて、
少しずつ楽になっていきます。
Q4.「診断だけで生きている人」もいるの?
A;はい。支援が不要な場合、診断だけで十分です。

(管理人)
「自分を知れるだけで充分」
そんな方は、診断だけでOKでしょう。
「それだけでは、生きづらい」
そうであるなら、手帳を取得するのが良いです。
Q5. 手帳を持つと、デメリットも多いのでは?
A;確かにプライバシー、更新手続きの負担はあります。
ただ、制度利用・割引のメリットを考えると
「必要な人には大きな助け」となります。
Q6. 結局、どちらが正解?
A;人によって違います。
あなたの「生活状況」「困りごと」「将来の働き方」で変わります。

(管理人)
「全員に共通した答え」は存在しません…
あなたが自身の状況を関係各所に相談し、
あなたが決断する必要があるのです。
おわりに;違いを理解して、生きていく一歩を踏みだそう
- 「診断」「障害者手帳」は、役割がまったく異なる
- 「診断」=「自分を理解する第一歩」
- 「手帳」=「社会制度を使うための証明書」
- 「診断だけでも十分な人」もいれば、
「手帳があることで、生活が安定する人」もいる - 迷ったら「まず診断を受ける」
- その後で必要なら、手帳を取得することを考える
👉 大切なのは「どちらを選ぶか」よりも「あなたの生活をどう安定させたいか」です

(管理人)
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