「ASDなそら」管理人のそらです。
ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、
仕事や生活に役立つ情報を発信しています!

いつか、自分の好きな仕事に出会えたらいいな…
そんなふうに思ったことがある方は多いのではないでしょうか。
それは、決して障がいの有無に関係ありません。
けれども、ASDの当事者にとって「自分に合った仕事」を見つけることは、
ときにそれ以上に難しく、そして重要なテーマになります。
なぜならASD特性を持つ私たちは、
- 環境の変化に敏感
- マルチタスクが苦手
- 感覚過敏がある
- コミュニケーション面での壁を感じたりする
これらの特性に合わない仕事を選んでしまうと、
毎日が「しんどい」の連続になってしまいます。
ではどうすれば「自分に合う」「好きな仕事」に出会えるのか?
答えはシンプルです。
『まずやってみる』
私が「自分に合った仕事」を探した方法
私は就労移行支援事業所を利用して、
現在の職場に就職しました。
就労移行支援というのは、
簡単に言えば「職業訓練校の障害者向けバージョン」です。

ここでは、職業スキルの訓練だけでなく、
自分の得意・不得意、好き・嫌いといった
「自分の取扱説明書」を明確にしていく時間が与えられます。
私の利用目的は明確でした。
それは、
- 自分が「何が得意で、何が不得意か」
- 自分が「どんな仕事が好きで、どんな仕事が合わないのか」
この2つを、徹底的に見極めること。
実際、就労移行支援の中では本当にさまざまな作業を体験できます。
- 一人で静かに行う作業(例:PCでの入力作業)
- 複数人で協力して行う作業(例:箱詰めなど)
- 頭を使う作業(例:簡単な分析や表作成)
- 事業所外で行う清掃活動や職場体験
これらの訓練を通して、
私は「自分がどんな働き方に向いているか」を
徐々に知ることができました。
大切なのは「体験を通して気づくこと」です。
実際に手を動かして、身体を使って、
周囲の人とやり取りしてみないと、
自分に向いているかどうかなんて分かりません。
頭の中で考えていても、何も始まらないのです。

「好きな仕事」は、疲れ方が違う
好きな仕事、もしくは「得意な仕事」に取り組んでいると、
不思議と集中できるものです。次のような感覚に気づくかもしれません。
- 作業中に余計なことを考えずに没頭できる
- 終わったあともそこまで疲れていない
- 作業が楽しく感じられる
- 「あっという間だった」と感じる
- もっとやってみたいと思える

私の場合、データをまとめたり、品質チェックをするような
「ルールが決まっていて、静かに取り組める仕事」が得意で、
実際にやっていて楽しいと感じます。逆に、
複数人と一緒に細かく連携を取りながら進める作業や、
日によって仕事内容が変わるような仕事は、頭も心も疲れてしまいます。
ASD特性を持つ人は
- 「繰り返し」
- 「手順が決まっている」
- 「予測可能な」仕事に向いていることが多い
そう言われていますが、それでも一人ひとり違うのです。
だからこそ「体験する」こと、「まずやってみる」ことが重要になります。
「嫌いな仕事」は、ダメージが大きい
逆に、苦手な仕事・合っていない仕事に就いてしまった場合どうなるか。
これは体験者として強く言えるのですが、
心身ともにダメージが大きいです。
- 作業に集中できない
- 疲れやすい
- 苦手意識が強くなる
- 不安や緊張が抜けず、どんどん気が重くなる
- 最悪の場合、職場に行けなくなる
ASDの特性を持つ人は、環境や仕事内容が
「自分に合っていない」と感じたときのストレスの受け方が、
非常に強く出る傾向があります。だからこそ、
自分に合わないことを無理して続けることは、
自分を追い詰めることになりかねません。

合わない仕事が「自分に原因がある」ように感じてしまい、
自己否定に陥る危険もあります。でも、それは違います。
仕事が合っていなかっただけなのです。
失敗は、「ヒント」に変わる

でも、失敗するのが怖い・・・

やってみて合わなかったら、どうしよう
そう思う気持ちはとてもよく分かります。
私もたくさん失敗してきました。
失敗の一部はこちらからどうぞ⬇️
でも、ASDの私たちにとって大切なのは、
「失敗=悪いこと」ではないということです。
むしろ「これは合わない」という気づきが得られたことが、
次の選択肢を絞るヒントになるのです。
- これは合わない、やめておこう
- このパターンの仕事は自分にとって負担が大きい
そういった経験を通して、
少しずつ「自分が進むべき方向」が見えてきます。
だからこそ、
- 気になったことはすぐに調べる(GoogleやChatGPTなど)
- 少しでも興味があることは実際に体験してみる
- 感じたこと・気づいたことを記録しておく(メモを活用する)
この繰り返しが、自分に合った仕事を探すうえで最も重要なプロセスになります。
「すぐやる」が、未来を変える
何かに興味を持ったとき、その瞬間が一番行動のエネルギーが高いタイミングです。

この言葉が気になる

なんとなく、面白そうかも
そう思ったら、ぜひその日のうちに動いてみてください。
- ネットで検索してみる
- 図書館で本を探してみる
- 問い合わせをしてみる
小さな一歩でも構いません。「気になる」という気持ちは、
次の行動につながる大切なサインです。
私自身も「すぐやる」を合言葉に、
気になったことをスマホのメモに残して、
すぐに確認できるようにしています。
こうして小さな積み重ねを続けてきたことで、
今の職場に出会い、安心して働ける環境を手に入れることができました。

最後に「あなたの中に答えはある」
この記事を読んでくださったあなたへ、
問いかけたいことがあります。
- 今日、気になったことはありますか?
- 最近、心が動いた瞬間はありましたか?
- これまでで一番「楽しかった」「夢中になれた」ことは何ですか?
その答えこそが、あなたの「好き」や「得意」につながる
ヒントかもしれません。
ぜひ、今日から一歩を踏み出してみてください。
どんなに小さくても、その一歩は確実に未来を変えていきます。
応援しています(^^)
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