ASDの就職1年目、正直に語ります

はたらく

「ASDなそら」管理人のそらです。

ASD(自閉スペクトラム症)当事者の視点で、

仕事や生活に役立つ情報を発信しています!

2024年4月〜7月に委託訓練を実施し、

同月に障がい者雇用で就職して、気づけば1年が経ちました。

この1年間は、まさに「初めてづくし」で、

不安や戸惑いも多かった一方で、

少しずつ自分なりのペースをつかみながら日々を積み重ねてきました。

私は自閉スペクトラム症(ASD)とともに生きており、

複数のタスクを同時にこなすことが得意ではありません。

けれど「変化が少なく、手順が決まっている仕事であれば安心して取り組める」

そういう自覚があります。

一番分かりやすいのは「工場での作業」です

その特性に合った仕事を求めて就労移行支援で事務職を希望し、

今はその希望が叶ったことを素直に嬉しく思っています。

この1年間を通じて、働くことのメリット・デメリット、

そしてその中で見えてきた自分自身の変化を、

この記事で正直に綴ってみたいと思います。

これから就職を考えている方や、

就労に不安を感じている方の参考になれば嬉しいです

【メリット編】働いてよかったと感じたこと

小さな「できた」が自信になる

もともと自己肯定感は低く、

自分に対して「どうせできない」と思い込む癖がありました。

しかし、仕事を通じて「小さな成功体験」を積み重ねることができるようになり、

少しずつ自信が持てるようになってきました

たとえば、最初は時間がかかっていた作業も、

回数を重ねるうちに「早く」「正確に」できるようになっていく。

そのプロセスは、まるで就労移行支援事業所での訓練と同じような感覚でした。

「できるようになった自分」を目に見える形で実感できること

それが、今の私の大きなモチベーションにつながっています。

階段を上がるように、少しずつ。

「ありがとう」の言葉が心に沁みる

誰かに「ありがとう」と言ってもらえること。

これは、想像以上に心に響く体験でした。

たった一言でも、自分が役に立っていると実感できる瞬間があります。

これは、家庭の中や支援機関ではあまり得られなかった実感でした。

「社会の中に居場所がある」と思えること、それ自体が癒やしになります。

充実のサポート体制

私の職場には、驚くほど理解ある方々が揃っています。

何かあればすぐに相談できる体制が整っており、

特に上司がジョブコーチであることは大きな安心材料です。

また、私は「就労定着支援」も受けており、

担当の職員さんは以前の就労移行支援と同じ方

顔見知りの方が継続してサポートしてくださるのは、

精神的な負担がぐっと減ります

賃金が圧倒的に増えた

就労移行の時と比べて、今の賃金は10倍以上。

もちろんまだ「一人暮らしができるほど」ではありませんが、

それでも金銭的な自由度は大きく広がりました

私はこのお金を「体験」に使うようにしています

カフェでブログ作業をする時間ができているのも、収入があるからこそ。

貯蓄も順調に増えており、

将来に向けた選択肢が広がっていることを実感しています。

【デメリット編】正直しんどいと感じたこと

疲労を感じづらい体質

私には「疲労を感じづらい」という特徴があります。

気づいた時にはすでに限界を超えていて、

頭痛やメンタルの不調として表面化することが多々あります。

また周囲の人が一生懸命働いていると、

「自分ももっとやらなきゃ」と無意識に思い込んでしまい、

無理を重ねてしまうこともありました

就労移行のときから「疲労を可視化する工夫(数値化など)」を行っていますが、

職場ではその仕組みを見てくれる人が減ったこともあり、

効果は限定的になっていると感じています。


詳細は以下からご覧ください⬇️


そのため、上司からの

「疲れたら『倒れる前に』『早めに』報告してね」というアドバイスを

素直に実行するようにしました

小さな不調の段階で伝えることで、

大きなトラブルになる前に対処してもらえることが増えました。

賃金面の現実

たしかに賃金は増えましたが、

健常者のフルタイム雇用と比べると、

まだまだ一人暮らしには届かないのが現実です

また、現在フルタイムを目指しているため、

「障害年金」という選択肢が使いにくくなっているのも悩ましい点です。

とはいえ、「まずはフルタイム勤務ができる体力と実績をつける」ことが

優先だと考えており、地道にステップを踏んでいる段階です。

任される仕事が単調になりがち

職務内容が「事務補助+α」であるため、

やはり任される作業は単純なルーチンが中心になりがちです。

もちろん、それが向いているという面もありますが、

「もっと実践的なことがしたい」という思いが日々強まってきています。

上司にも相談していますが、今のところ大きな変化はありません。

向上心は大事、なのですが・・・

現時点ではまだ経験不足という評価かもしれませんが、

フルタイムになれば、より幅広い業務に関われる可能性があると期待しています。

そのためにも、今は「目の前の業務に誠実に向き合うこと」を意識しています

【まとめ】「働くこと」はゴールではなく、自分を育てるプロセス

この1年間、正直に言えば、うまくいかないこともたくさんありました。

でも「失敗しても、相談して、解決策を見つければ何とかなる」

そういう感覚を持てるようになったことが、

何よりの成長だと感じています。

働くことは「生活のため」でもありますが、それ以上に

  • 「自分を知ること」
  • 「自分を社会の中で活かしていくこと」

それらにつながると感じています。

また、ブログを通して自分の経験を発信することで、

「同じように悩んでいる誰か」に届く可能性がある。

それが、仕事とブログを両立させる原動力になっています。

今後も焦らず、無理せず、ぼちぼちと、

「自分らしく働ける道」を探しながら進んでいきたいと思います。

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